北米

2026.06.04 07:30

5月の米民間雇用は12.2万人増で市場予想を上回る、小規模企業が好調

Joe Raedle/Getty Images

Joe Raedle/Getty Images

米民間雇用サービス会社ADPが発表した報告書によると、小規模企業の好調さにより5月の民間雇用の伸びは予想を上回る強さを見せた。総雇用者数こそ減速傾向にあるものの、今回のデータは米国の労働市場が依然として安定していることを改めて物語っている。

ADPの発表によると、5月の民間雇用者数は前月比12万2000人増となった。4月の10万5000人増を上回ったほか、ファクトセットがまとめた市場予想の12万人増も上回る結果となった。

企業規模別に見ると、従業員50人未満の小規模企業が6万7000人の新規雇用を創出し、500人以上の大企業が4万人、中堅企業が1万7000人の雇用をそれぞれ上乗せした。

ADPが追跡対象とする10業種のうち、先月は8業種で雇用が増加した。同社のチーフエコノミストを務めるネラ・リチャードソンは、現在の雇用市場の好調さについて、「過去数年間に見られた状況よりも広範囲に及んでいる」と指摘し、「夏の採用シーズンに向けて持続的な勢いを維持し続けている」との見解を示した。

業種別では、教育・医療サービスが5万7000人増と、全業種の中で最も堅調な伸びを記録した。これに次いで、運輸・公益事業が3万6000人増、専門・ビジネスサービスが1万1000人増となり、建設とレジャー・接客業はそれぞれ8000人の増加となった。

一方で、情報サービスは9000人の雇用減、天然資源・採掘は3000人の減少となった。

米労働統計局が2日に発表したデータによると、米国の求人数は762万件にのぼり、2024年3月(820万件)以来の高水準を記録した。なお、これらの求人の大部分は、従業員10人未満の極めて規模の小さい企業によるものである。また、自発的な離職率は月間で1.9%に低下し、2020年以来の低水準となった。

ADPによる民間部門の雇用統計は、毎月第1週に発表される政府統計に先駆けて公表されるものである。労働統計局は近く5月の非農業部門雇用者数と失業率を発表する予定だが、非農業部門雇用者数の伸びは4月の11万5000人増から10万5000人増へと減速する見通しであり、失業率は4.3%に落ち着くと予測されている。

これまでの雇用統計は米国の労働市場が安定化していることを示唆しているが、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官らは、米国の労働市場は「低採用・低解雇」の環境にあると言及していた。実際のデータを見ても、企業が新規採用を抑制する一方で、レイオフ(解雇)件数も減少している実態が浮かび上がる。総雇用者数は4月に1億6260万人に減少し、2024年12月以来の低水準を記録した。これは、同月の雇用の伸びがわずか0.6%にとどまったことを意味している。総雇用者数の減少はこれで4カ月連続となり、2009年以降で最長を記録した。さらに、働く意思を持つか、実際に仕事を探している人の割合を示す労働参加率は61.8%に低下し、2021年以来の低水準となった。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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