経営・戦略

2026.06.05 15:00

AIエージェントを部下にする「ひとり起業」ガイド

stock.adobe.com

stock.adobe.com

LinkedInの調査によれば、調査対象者の約半数が「AIによって自分で事業を始める可能性が高まった」と答えた。半数である。数十年にわたって人々の前に立ちはだかっていた障壁──チームを雇うコスト、スキルを磨くための年月、すべてを1人で回す間接費──が、いくつかのサブスクリプション料金にまで抑えられるようになったのだ。

私は22歳でエージェンシーを立ち上げ、2021年に売却した。その10年の大半において、成長とは採用を意味した。顧客が増えればスタッフが増え、支払う給与が増えた。収益化の前に人員の採用を行うたび、固定費負担による経営リスクも膨らんでいったのだ。だが、いま創業する起業家はそういったことをすべて回避できる。私が何年もかけて編成したチームは、いまやブラウザのタブをいくつか開くだけで完結する。

同じ調査では、米国の中小企業リーダーの54%が「AIは成長に不可欠だ」と回答した。もはや許可を待つ必要はない。今週中にアイデアを試し、退屈な作業はツールに任せ、誰かを雇う前に顧客へアプローチしよう。

AIチームとともに会社をつくる6つのステップ

すでに理解している課題を選ぶ

急成長を遂げるビジネスは、創業者自身が経験してきた課題を解決する。あなたは自分の業界を知っている。時間のロスが発生する箇所、顧客が払いすぎている箇所、誰もが不具合を容認している箇所を、あなたは知っている。そうした知識は、ゼロから生み出すどんな巧妙なアイデアにも勝る。AIは、狙いさえ定まれば自動的に構築してくれる。狙いを定めるのはあなたの仕事だ。

そこで、前職で最も苛立ったことを3つ挙げてほしい。それぞれについて、ほかに誰が同じ苦しみを抱えているか、そしてそれを止めるためにいくら払うかを書き出す。顧客にとっての勝ち筋が最も明白なものを選ぶ。専門性はあなたが持っている。あとはそれを軸に、かつて創業者が必要としていた予算なしで事業を始めるだけだ。

まだ雇えないチームを置き換える

デザイナーとコピーライター、リサーチャー、アシスタント。かつて創業者は、事業が1円も収益を上げないうちからこの4人を必要とし、その請求書が、立ち上げ資金を用意できない人々の内側に優れたアイデアを閉じ込めてきた。いまは1人で、フリーランスが1日分の報酬として請求する額よりも安く、同じ成果物を生み出している。

人を雇うはずだった役割ごとに、ツールを1つずつ選ぶ。開きもしないツールを10種類ため込むのではなく、1つ1つをきちんと使いこなすことだ。テキスト生成、デザイン、リサーチ、そして自分の代わりに24時間顧客対応を行う「AIエージェント」。すでにAIエージェントを使いこなしている創業者は、それぞれのエージェントをまるで採用した従業員のように扱い、仕事内容を決めている。

作る前にアイデアを検証する

従来のやり方は、まず作って、次に祈る、だった。創業者は誰も買うと合意していないものに貯金を注ぎ込み、そして何が間違っていたのかと首をかしげる。順序を逆にしよう。人生の1カ月をそれに捧げる前に、実在する人々の前に提案を出し、彼らがどう動くかを見るのだ。

次ページ > スピードこそが最大の強み。他者がためらう間に動く者だけが手にできるもの

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事