日本株の新時代を生き抜く……バフェットら三賢人の「構造的複利」とは

左からピーター・リンチ、阿部修平、ウォーレン・バフェット

「数字」を追う投機家ではなく、「構造」を読む投資家になれ

通信ではITとAIが同様の役割を担う。インターネットやクラウドといった情報インフラの上にGAFAのような企業がプラットフォームを構築し、その上でアプリや広告、ECなど多様な産業が展開されている。さらにAIが加わることで、人間の意思決定や思考プロセスそのものが補完され、新たなインフラ層が形成されつつある。

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重要なのは、この「コンパウンド」が単なる利益の積み上げではなく、社会インフラの重層化と更新の連鎖であるという点だ。新しいインフラが既存の仕組みを刷新し、それがさらに次の技術や産業を生む。この循環によって、成長は線形ではなく指数関数的に拡大する。コンパウンドグロースとは、まさにこの構造的な成長メカニズムを指す。

投資家、そしてビジネスパーソンが犯しがちな最大の過ちは、企業の売上高が毎年何パーセント伸びたかといった短期的な「率」の変化、すなわち結果としての「数字」だけを追うことである。本当に見るべきは、その企業が担っている事業が社会の新しいインフラとして次の層を形成し、どれだけの複利効果をもたらすかという「構造」そのものである。世界の主要な株価指数が史上最高値を更新し、世界経済が歴史的転換点を迎えている今、目の前の株価の乱高下に一喜一憂する投機家になってはならない。本書が与えてくれるのは、企業が秘める「構造的複利」による価値創造を見抜く確かな視座だ。

では、阿部自身はどのようにしてこの「コンパウンドグロース」という思想に至ったのか。その背景には、ジョージ・ソロス、ピーター・リンチ、ウォーレン・バフェット——投資の世界に燦然と輝く三人のレジェンドとの邂逅がある。それは単一の理論の影響というより、三者それぞれの異なる投資哲学の接点において、徐々に形成されていったものだ。

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文=清水孝章/スパークス・アセット・マネジメント株式会社

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