日本株の新時代を生き抜く……バフェットら三賢人の「構造的複利」とは

左からピーター・リンチ、阿部修平、ウォーレン・バフェット

左からピーター・リンチ、阿部修平、ウォーレン・バフェット

「複利」の概念を、金融から社会構造へと拡張する

「複利は人類最大の発明だ。知っている者は複利で稼ぎ、知らない者は利息を払う」

アインシュタインが遺したとされるこの言葉は、金融の世界において「お金が実を結ぶ倍々ゲーム」の本質を突いたものとして広く知られている。足し算ではなくかけ算。時間を味方につけることで、資産は雪だるま式に増幅していく。

だが、世界的な伝説の投資家たちと渡り合い、40年以上にわたって市場と対峙し続けてきたスパークス・グループ代表の阿部修平が最新刊『コンパウンドグロース投資 世界を牽引する日本の新時代』で示す「コンパウンドグロース」の概念は、単に利益が積み重なるという金融的な複利の意味に留まらない。それは、社会や産業の根底に横たわる「構造」そのものが複利的に拡大・成長していく現象として定義される。

例えば電気の歴史では、まずエジソンが電球を発明し、電力インフラという「第1層」が生まれた。そのインフラ基盤の上にGEなどが冷蔵庫や洗濯機といった家電を普及させ、「第2層」が形成された。さらにソニーや松下などが家電の高度化と新しい消費需要を開拓し、「第3層」が広がった。基盤の上に応用、その上に消費が重なり、価値が加速度的に拡張していく。

同様にモビリティでも、蒸気機関の発明が鉄道を生み、その技術的蓄積の上にフォードの自動車が成立した。自動車は単なる移動手段にとどまらず、石油産業や高速道路といった新たなインフラを形成し、物流・観光など新しいサービス領域にまで拡大した。既存技術が次の基盤を生み、その上で社会全体の構造が更新される。この連鎖こそが「コンパウンド」の本質だ。

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文=清水孝章/スパークス・アセット・マネジメント株式会社

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