車内のディスプレイにはLiDARやカメラ、レーダーなどの車体に設置されたセンサー群が捉えた、周囲の車両や障害物の情報がリアルタイムで3Dマップに描画される。システムが環境を正確に認識していることを乗客が視覚的に確認できる。同じモニターには音楽配信サービスのメニューも表示され、目的地まで好きな音楽を聴いてくつろぎながら過ごせた。
無人のロボタクシーなので、人間のドライバーとの会話に気を使う必要はもちろんない。後部座席に座りながら、米国の美しい景色を好きなだけ写真や動画で撮影したり、PCを開けば仕事もできる。
安全運転を支える独自ワールドモデルによるシミュレーション
Waymoの自動運転技術の根幹を支えているのは、独自に開発されたハードウェアとAI搭載ソフトウェアの統合システム「Waymo Driver」だ。車両には360度周囲をカバーするLiDAR、カメラ、レーダーが搭載され、昼夜や天候を問わず最大300メートル先の状況を認識する。
実際のデータに基づく安全性の指標においても、Waymoの優位性が示されている。同社が公表したデータによれば、Waymo Driverが稼働している地域において、人間が運転する車両と比較して人身事故が93%減少しているという。
大手再保険会社スイス・リーとの共同研究では、Waymo Driverによる走行100万マイル(約160万キロ)あたりを人間による運転と比較すると、対物賠償請求88%、人身事故の賠償請求が92%減少していることも示された。
この高い安全性を実現し、技術の進化を加速させているのが、独自にAIを活用する高度なシミュレーション技術だ。
Waymoは、同社と同じAlphabet傘下のAI研究開発組織であるGoogle DeepMindの技術を基盤として、AIモデルの「Genie 3」を活用した「Waymo World Model」を構築している。これは現実世界の走行データから精緻な仮想環境を生成し、そこで自動運転システムの訓練や安全性評価を行うための、AIを活用するフレームワークだ。
「東京やロンドンなど、Waymoが新しい都市に進出する際には当然ながら現地での実走行も行いますが、同時に、新しいシナリオや事例をAIによって生成しています。シミュレーション内でWaymo Driverが見ているデータは、現実のカメラなどセンサーが取得する情報と同一になるよう設計されており、とても高いリアリズムが確保されています」


