AI

2026.06.16 13:30

クリエイティブ界の次世代リーダーが語る「ノイズ」と「遊び」のリーダー論

ジューストー沙羅(Aww COO)・鈴木健太(クリエイティブディレクター、映像作家、「Firstthing」主宰)

ジューストー沙羅(Aww COO)・鈴木健太(クリエイティブディレクター、映像作家、「Firstthing」主宰)

AIが同質化を促進するなかで、競合を突き放す武器は「クリエイティブ力」だ。クリエイティブ界の次世代リーダーふたりが、未来のリーダーに必要な「決断軸」を語る。

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データとアルゴリズムが「最適解」を瞬時に弾き出すAI時代、リーダーは変容を迫られている。25年にクリエイティブチーム「Firstthing」を創設し、起業家やリーダーへのクリエイティブ実装を推進する鈴木健太と、バーチャルヒューマンimmaのプロデューサーとして“AI時代のプレゼンス”を追求してきたジューストー沙羅。クリエイティブとテクノロジーの最前線に立つ次世代リーダー2人が提示するのは、合理性の限界を突破するための「非合理なリーダーシップ」だ。

社会にAIが実装されるなか、リーダーの意思決定はどのように変わるのだろうか。 「人間の思考を停止させ、判断の軸を奪う麻薬にもなりうる」と話すのは鈴木。

「あたかも正解のように語りかけてくることに“のまれている”リーダーも多いのでは。全員がAIの正解をなぞれば結果的にコモディティ化につながるリスクもありますよね」

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ジューストーも頷く。「そんな時代だからこそリーダーは、AI が何を言ってきても『いや、私はこれが好きだから』と言える軸が必要。本当に面白いものをつくりたいのであれば、自分の好きなことを理解し、行動し、それをエビデンスとして自分の脳に叩き込むしかない。リーダーに必要な『決断力』も、そこからしか生まれないと思います」

ジューストーにとっての“本当に面白いもの”の一例が、2018年に誕生したバーチャルヒューマンimmaだ。SNSで100万人以上のフォロワーを有し、ポルシェやIKEAといったグローバルブランドの広告にも起用され熱狂を生み出している。

「彼女はピンクのボブヘアで原宿カルチャーを体現し、独自のアイデンティティをもっています。私が携わる前のSNS投稿で、“半目”で写っている画像があったのですが、これに感動して。あえて絶妙な人間くささを出すといった判断は、クリエイター側のセンスがないと生まれません」

「非効率な体験」こそ重要

こうしたAIの出す「正解」にのまれないための軸やセンス──つまりクリエイティブ力をいかに育てるか。鈴木は、Firstthingのプロジェクトのひとつとして25年11月にクリエイティブ・インストール・スクール「toracoya」を開校した。起業家を中心とした未来のビジネスリーダー約30人を対象に、5日間のプログラムでクリエイティブ力を養成した。

「スタートアップには素晴らしいアイデアや初期衝動があっても、伝え方や見せ方など『インターフェースのつくり方』が不十分で世の中に広がっていかないことが多々あります。広告クリエイターは、企業や経営者の伝えたいことをワンビジュアルや一言に“圧縮”することが得意。このスキルをリーダー自身が理解しインストールすることで、初期のアイデアを適切に広げ、同質化のなかでも競争力を発揮できるのではと考えました」

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文=堤 美佳子 写真=ヤン・ブース

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