インターンシップの期間は、少なくとも2~3週間以上で設定したい。数日〜1週間程度の短期だと、本人が与えられた環境に無理をして合わせることができてしまうため、ミスマッチが起きていたとしても気づきづらい。
インターンシップを数週間単位で実施できると、本人も企業側も比較的ゆとりをもって、業務特性や職場のカルチャーと発達特性が合うか、マッチングを見極めることができる。そして本人もどんな配慮や環境を企業側に求めるべきなのかが分かりやすくなり、企業側もそれらを把握しやすくなる。
インターンシップが長くなるほど、企業側ではその企画や運営に投じる工数がかかり、負担が大きくなるといわれることもある。しかし長い目で見れば、インターンシップは企業にとっても発達障害がある人にとっても、後者が長期的に安定して働ける環境を構築できるかを判断するための合理的なプロセスなのだ。
発達障害がある千人に聞いた「本当に役立つ環境調整」
3点目の「柔軟な就労環境」については、主に採用後の定着に関することである。本人が能力を発揮しやすい環境を主体的に選択できるようにすることが重要で、先述した満員電車が苦手な人であれば、出社時間をずらせるようにする、リモートワークを選択できるようにするといったことが挙げられる。
ロンドン大学バークベック校が、発達特性がある働く人約1000人を対象にした調査では、特に役立った就労環境の調整として、次のようなものが挙げられた。
役に立った就労環境の調整
・柔軟なスケジュール
・勤務の一部を在宅で行える
・必要に応じ個人用ブースなどで仕事ができる
・デュアルスクリーンまたは読書スタンドの利用
・騒音レベルを変更できる
・就業規則や手順が調整できる
・照明の強度を変更できる
・適宜、休憩を取れる(1時間に1回程度)
・組織的な問題に対するコーチング
・職場内の席の配置を変更できる(フリーアドレス等)
「騒音レベルの変更」というのは、先述の聴覚過敏の人がイヤーマフや耳栓をオフィスで利用可にするなどといった対応だ。とある企業のオフィスでは、耳栓利用時には「今、耳栓をしています」というカードをデスクに立てることで、周囲がその状況に気づきやすくしている。これによって、「話しかけたのに聞いていない」といったコミュニケーション・エラーが起きないようにしている。


