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2026.06.10 13:15

実は発達障害の人向けの働く環境整備が、多くの社員に役立つ理由【隠れた知性を解き放て ♯3】

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努力不足ではなく、周囲の理解不足

前提として、今の日本では発達障害がどのようなものであるかや特性の種類、人によって特性が異なることについて理解している人は少ない。そうした中、発達障害がある人が配慮を得ずに能力を発揮するには、高いハードルがある。

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例えば、冒頭の聴覚過敏の特性がある人のケースで考えてみたい。本人は、発達障害があることを開示していない。そうした中、本人が聞き取りづらい環境下で、上司から口頭で仕事の指示を受けたとする。上手く聞き取れなかったので、「もう一度教えてほしい」と上司にお願いしても、定型発達の他の社員は当たり前のように聞き取れているため、本人が不注意で聞いていなかっただけだと思われてしまう。

それが度重なると、本人は上司からやる気がない、あるいは注意散漫な人材だと誤解されたり、指示を正確に聞き取れていないために成果を出せず、能力不足だとみなされてしまったりする。

発達障害がある人の中には、他にも時間の管理が苦手な人(ADHD:注意欠如・多動症)やあいまいな指示の解釈、満員電車が苦手な人(ASD)もいる。こうした不得意の多くは、努力をしてもなかなか克服できない性質のものだ。

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しかし、それを周囲に伝えることすらできず、不当な評価を受け続ければ、自己肯定感や自己効力感は失われていく。さらに深刻な場合には、うつ病などの二次疾患へと発展することもある。

そうなると、個人にとっても組織にとっても不幸な結果になる。これは多くの企業で起きていることであり、筆者が企業の人事担当者から最も多く聞く悩みである。このような状況では、本人と周囲との関係性が悪化して問題が複雑化し、解決に相当な労力を要する。

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Nuthawut Somsuk/ Getty Images

「違いを強みに」変える、新時代のマネジメント

そうなる前にいかに予防し、本人の能力を発揮しやすくできるかが大事になる。その実践に必要なのが、「ニューロダイバーシティマネジメント」だ。日本総研が提唱するニューロダイバーシティを前提としたマネジメント手法であり、導入にあたって発達特性や典型的な配慮について、社員に理解してもらうための研修が必須となる。同分野の先進企業である米IBMでは、5000人近くの従業員がニューロダイバーシティに関する研修を受けているという。

ニューロダイバーシティマネジメントは、大きく分けて次の3つの要素で構成される。

次ページ > ニューロダイバーシティマネジメントの構成要素

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