AIグラス「Ray-Ban Meta(レイバン メタ)」が、5月21日より日本での展開をスタートした。今後日常的に身に着けるウェアラブルデバイスとして普及していくか否かを問うとき、アイウェアとしてのデザインや掛け心地なども無視できないだろう。そこで、本記事では眼鏡業界を約20年にわたり取材し続けてきた、眼鏡ライターの目線で「Ray-Ban Meta」をレポートする。実際に触れてみて感じた5つのポイントを記していこうと思う。
(1)Ray-Banであることの意味
AIグラスについては、すでに先行製品があるわけだが、「Ray-Ban Meta」で初めて触れることになる人は少なくないだろう。Metaというビッグテックと、Ray-Banという世界でもっとも知名度があると言っても過言ではないアイウェアブランドがタッグを組んだとあれば、それだけで話題性は十分だ。実際、発売前後にはテック系から、普段はAIグラスを扱わないようなファッション系まで、さまざまな媒体から記事がアップされていた。
Ray-Banは、1937年に創業したアイウェアブランドだ。なかでも「WAYFARER」は、1952年の発売以降、時代のアイコンらに愛用され続け、現在まで高い人気を誇るロングセラーモデルである。そんな歴史あるモデルに最先端のAIが搭載されたことは、現在が眼鏡の歴史にとって大きな転換点であることを象徴しているように感じられる。
そしてこのRay-Banを展開するEssilorLuxotticaは、世界最大のアイウェア企業である。Ray-Banのほか、OakleyやOliver Peoplesなどの人気ブランドを手掛け、PRADAやGiorgio Armaniといったラグジュアリーブランドのアイウェアの製造も請け負う。2025年の連結売上高は、前年比11.2%増(為替一定ベース)の284.9億ユーロにのぼり、この成長の一端を担っているのが、「AIグラス」だ。同社のAIグラスの2025年度の販売本数は、700万本を超えたという。
これまで、日本の眼鏡業界においてAIグラスは近いようで遠い存在であったが、Ray-Ban Metaの登場により、その距離はぐっと近づいた。販売網は全国に19店舗展開するRay-Banの直営店のみならず、Ray-Banの取扱店であるメガネスーパーや和真といったチェーン店、さらに個人経営の眼鏡店にまで広がりを見せている。今後は眼鏡店からの発信も増えるであろうし、何より実店舗での展開が多いというのは、大きなアドバンテージになるだろう。



