梅雨の季節に熱中症で搬送される人がいる、と聞いてもピンとこない人は多いだろう。汗が噴き出すような真夏の炎天下に比べれば、雨続きの6月はむしろ涼しいはずだという感覚が先に立つ。だが、気温よりも湿度がリスクの本体だとしたら、話は変わってくる。
パナソニックが、エアコンを所有する20〜60代の男女を対象に実施した調査が、その実態を浮かび上がらせた。
6月が危ない本当の理由
例年、何らかの熱中症対策をしている人は78%にのぼった。いつから始めるかを聞くと、6月(36%)と5月(21%)を合わせた過半数が梅雨時期までには動いている。それでも「7月」が29%、「8月」が6%と、3人に1人以上は夏本番になってからようやく動き出している。

昨年2025年6月の熱中症による救急搬送者数が月別で過去最多を記録していることを考えれば、その判断は決して安全とは言えない。
問題の根は認知にある。梅雨の時期に湿度が引き起こす熱中症は「梅雨型熱中症」と呼ばれるが、その言葉の内容まで知っている人は18%にとどまり、「言葉は聞いたことがあるが内容はわからない」が23%、「聞いたことがない」が59%と、8割超が実態を把握していない。

熱中症救急医療に携わる埼玉慈恵病院副院長の藤永剛医師は、湿度が高いと汗が蒸発しにくく体内に熱がこもること、水分補給が遅れて脱水と体温上昇が重なることを、梅雨型熱中症のメカニズムとして挙げる。
気温が上がらなくても、湿度だけで十分に危険な状態は作られるというわけだ。
湿度への意識についても、「あまり意識していない」「まったく意識していない」を合わせると43%が対策から抜け落ちていた。対策しているつもりでも、温度にばかり目が向いて湿度への認識が低いまま梅雨を迎えている人は少なくない。




