AI企業の評価額を1兆ドル(約159兆円。1ドル=159円換算)近くに押し上げる650億ドル(約10.34兆円)の大型資金調達を受け、兄ダリオ・アモデイと妹ダニエラ・アモデイは、5人の共同創業者とともに純資産を急増させた。
約10.34兆円の調達で、共同創業者7人の純資産が2倍超に急増
Anthropic(アンソロピック)は米国時間5月28日、評価額9650億ドル(約153.44兆円)という目を見張る水準で650億ドル(約10.34兆円)を調達したと発表した。それは単に、評価額8520億ドル(約135.47兆円)の宿敵OpenAIを上回り、世界で最も価値の高いAIスタートアップになったというだけではない。Anthropicの共同創業者7人それぞれの資産も膨らみ、純資産は2倍超の1人当たり155億ドル(約2.46兆円)に達したとフォーブスは推計する。
それでも、OpenAI社長グレッグ・ブロックマンには及ばない。ブロックマンは5月初めに行われたイーロン・マスクとの裁判で証言し、自身の持ち分は約300億ドル(約4.77兆円)相当だと証言していた。だが、OpenAI共同創業者イリヤ・サツケバーの持ち分は上回る。サツケバー、OpenAIの取り分は約70億ドル(約1.11兆円)相当だと証言したからだ。もちろん、OpenAIのCEOサム・アルトマンよりを上回る。アルトマンは同社の直接持ち分を一切保有しない(フォーブスは他の投資による資産を35億ドル[約5565億円]と推計)。
これにより、アモデイ兄妹のダリオとダニエラ、そして他の5人の共同創業者であるジャック・クラーク、サム・マッキャンドリッシュ、クリス・オラー、トム・ブラウン、ジャレッド・カプランは、生成AIブームで富を築いた起業家の中でも極めて希少な存在となった。フォーブスは、Anthropicの共同創業者は各自、同社の1.6%強を保有していると推計する。Anthropicの広報担当者は、持ち分や純資産についてのコメントを控えた。
評価額が1年前の約9.78兆円から15倍超に膨らむ
今回の資金調達は、投資家が最も注目されるスタートアップに数十億ドル(数千億円)を注ぎ込み続ける、AIにおける現在の熱狂ぶりを示している。Anthropicの1兆ドル(約159兆円)近い評価額は、4カ月前の時点ですでに巨額だった3800億ドル(約60.42兆円)から上昇し、1年前の615億ドル(約9.78兆円)からは15倍超に膨らんだ。
この調達はまた、計算資源への飽くなき需要に追随するため、最先端企業が直面する天文学的なコストを浮き彫りにする。イーロン・マスクのスペースXは5月20日、IPO目論見書において、AnthropicがスペースXのスーパーコンピューター「Colossus」で自社モデルを稼働させるため、月額12億5000万ドル(約1987億5000万円)を支払っていると開示した。650億ドル(約10.34兆円)の資本注入の一部は、こうしたインフラ費用の支払いに充てられるのは確実だろう。



