米国時間6月2日、半導体メーカーのマーベル・テクノロジーの株価が時間外取引(プレマーケット)で急騰した。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが台北で開催中のテック系展示会「COMPUTEX」において、マーベルを「次の1兆ドル企業」と呼んだことがきっかけだ。
基調講演の中で、マーベルのマット・マーフィーCEO兼会長はフアンをステージに招き、3月に発表されたエヌビディアとの戦略的パートナーシップについて語った。
ステージに迎えられたフアンは、突然マーフィーの話を遮り、促されるまでもなく「皆様、次の1兆ドル企業です」と言い放った。
マーフィーはすぐに興奮をあらわにし、「いっしょに実現させましょう」と反応した。
フアンは、自身が「有用なAI」と呼ぶものやAIエージェントの到来を称賛し、マーベルのネットワーク半導体を大々的に宣伝した上で、次のように繰り返した。「だからこそ、彼らは次の1兆ドル企業になるのです」
マーフィーは、自分たちには「残された仕事が少しある」としつつも、その目標に向かって順調に進んでいると述べた。
その前日にも7%高と好調だったマーベルの株価は2日、プレマーケットで25%以上急騰し、274ドルに達した。年初来の上昇率は158%以上だ。同社の時価総額は2024年12月に初めて1000億ドル(約15兆9900億円)を突破し、2026年6月1日の取引終了時には1919億6000万ドル(約30兆6886億円)に達していた。
フアンは半導体大手ARMホールディングスのレネ・ハースCEOと共にCOMPUTEXの別の基調講演にも登壇している。エヌビディアはこの前日、WindowsノートPCおよびデスクトップPC向けの同社初となる完全統合型半導体「RTX Spark」を発表していた。この半導体はARMのチップをベースにしたCPUを使用しており、「パーソナルAIエージェント」を実行する能力を備えている。同社が完全統合型の消費者向け半導体を構築するのは今回が初めてのことだ。
ハースがRTX Sparkの発売を祝福すると、フアンは「私が製品を発表する。彼の株価を見てほしい。私が製品を発表するたびに、彼の株価が上がる。私には何も起きないのにね」とジョークを飛ばした。6月1日の米株式市場で、ARMの株価はRTX Sparkの発表を受けて15.73%上昇し、408.85ドルとなっていた。
RTX Sparkの発表を受けてエヌビディアの株価は6.26%高の224ドルをつけ、日次上昇率としては2月以来で最高を記録した。RTX Sparkは、エヌビディアのAIスーパーコンピューターで使用されている半導体の廉価版であり、Windows上で人気のゲームや生産性ソフトウェア、そして強力なAIエージェントをローカルで実行する能力を持つとされている。
エヌビディアは何十年もの間、ノートPCおよびデスクトップPC用のGPUを製造してきた。しかし、同社がメディアテックと共同で設計した専用CPUを使用するRTX Sparkとは異なり、これまでのGPUはインテルもしくはAMDが開発したCPUと組み合わせる必要があった。RTX Sparkの発売により、エヌビディアはクアルコム、アップル、インテル、AMDといった競合他社に対抗できるようになる。



