しかし、すでに管理職に就いている層とそうでない層の間には、その役割に対する認識に大きなギャップが存在する。非管理職層が「忙しく時間に追われている」(36.4%)や「仕事とプライベートの両立が難しい」(32.4%)といったマイナスの側面を強く連想しているのに対し、実際の管理職層は「自分自身のやりがい・成長が期待できる」(40.4%)、「メンバー育成・人の成長にやりがいを感じる」(37.6%)など、前向きな魅力を実感している割合が高い。
また、管理職を経験してよかったこととして「仕事の視野が広がった」(32.4%)や「周囲からの信頼・評価が高まった」(31.6%)が上位を占めている。特に20代や30代の若手層では、管理職への就任が「キャリアに自信が持てるようになった」という自己肯定感の向上に直結している傾向もみられる。

このような認識のズレが生じる背景には、管理職の実態に関する正確な情報や、経験者へと気軽に相談できる機会の不足があると推測される。実際に、賃金補助以外で前向きに挑戦するために必要なサポートを尋ねたところ、役職の有無にかかわらず「福利厚生」に次いで「相談相手・メンターの存在」を求める声が強く上がった。特にキャリアの初期段階にある20代においては、半数近く(49.3%)が相談相手やメンターの必要性を訴えている。

女性初の総理大臣誕生という社会的なシンボルは、現職の管理職層の7割にポジティブな影響を与えた一方で、非管理職層の約7割にとっては「変わらない」という結果にとどまっており、まだ自分ごととして捉えきれていないのが現状だ。

これからの社会が目指すべきなのは、管理職が持つ本来のやりがいや等身大のリアルを正しく共有し、個々の生活環境に応じた柔軟な福利厚生を整備すること。そして何より、孤独に悩みを抱え込ませないための「気軽に相談できる伴走者」を組織内に仕組みとして配置することである。こうした多角的なサポート体制の拡充こそが、自らの可能性を信じて主体的にキャリアを選択できる環境を切り拓く契機となるはずだ。
出典元:エスエス製薬「女性管理職に関する調査」より


