人工知能(AI)データセンターの建設ラッシュは、単なるテクノロジー投資の話にとどまらない。それを建設するための金属と、サーバーを稼働させるための電力の話でもある。
だからこそ、世界で最も影響力のある資源投資家の一人であるオリビア・マーカムは、新たな鉱業ブームの到来を見通している。
マーカムは、エヴィ・ハンブロとともに運用する100億ドル(約1兆6000億円)規模のブラックロック・ワールド・マイニング・ファンドおよび同トラストのポートフォリオマネージャーである。同氏は2026年5月上旬に豪パースで開催された鉱業カンファレンスで、鉱山会社は自社の鉱物・金属に対する需要に追いつくのに苦戦していると語った。
「コモディティ需要は加速しており、GDP(国内総生産)の成長における資源消費の割合は上昇を続けている」と彼女は述べた。
「AIの話は、テクノロジーの話であると同時に、電力と金属の話でもある」
しかしマーカムは、AIとコモディティの直接的なつながりを認識している投資家は少ないとみている。
ゴールドマン・サックスも同様の見解
米投資銀行ゴールドマン・サックスも、エージェンティックAIの需要に関する調査報告書で同様の指摘をしている。
「現在のデジタルインフラでは、エージェンティックAIを支えることはできないと我々は考えている」とゴールドマン・サックスは述べた。
「これらの自律的で常時稼働するシステムは、AIチャットボットの60〜130倍のエネルギー集約度を持ち、データセンターだけでなく物理的アーキテクチャ全体の再構築が必要になる」
銅とアルミニウムは、データセンター建設ラッシュで最も勢いづく金属であり、BHPやリオ・ティントなどの大手銅鉱山会社は株価の急伸を享受している。
ゴールドマン・サックスは「Investing in the Architecture of AI’s future(AIの未来のアーキテクチャへの投資)」と題したレポートで、テクノロジーへの投資機会はインフラなどの「川下(周辺産業)へ移りつつある」と述べた。
金属なくしてAIはない
「今後の成長は、データセンターや送電、高度な冷却、系統接続発電など幅広い分野でソリューションを提供する『つるはしとシャベル』企業(インフラ提供企業)、そして物理的制約を解消する熟練労働者にかかっている」と同行は述べた。



