AI

2026.06.07 10:00

ロボット革命が幕を開けた──AIは画面を出て文化と日常に根を張る

Craig Barritt/Getty Images for The Mark Hotel

Craig Barritt/Getty Images for The Mark Hotel

AIはここ数年で大きく進歩したが、これまでは主に仮想的な存在にとどまってきた。私たちがAIとやり取りする場面の多くは、画面越しの会話を通じたものだった。『ハリー・ポッター』シリーズ初期のヴォルデモートのように、AIには物理的な姿がなかった。

だが、その状況はまもなく変わろうとしている。

AI革命は脇へ退くときだ。私たちは、ロボット革命の夜明けを目撃している。AIは今、目に見えない存在から、目に見え、触れられる存在へと飛躍しつつある。

この大きな変化を理解するには、4月に報じられた大きなニュースを思い出すとよい。スミソニアン・マガジンは「中国で行われたレースで、ヒューマノイドロボットがハーフマラソン最速の人間の世界記録を破った」と報じた。

中国の電子機器メーカー、オナー(Honor)が開発したのは、その名にふさわしく「ライトニング」(Lightning、稲妻)と名付けられた自律移動型ロボットだった。身長はほぼ6フィート(約183センチ)。2026年北京Eタウン・ヒューマノイドロボット・ハーフマラソンで、数千人の人間とともに競った数百体のヒューマノイドロボットの1体であり、従来のヒューマノイドロボット記録を数分上回った。

この勝利のニュースは、人間vs機械の別の対決を思い起こさせずにはいられない。2016年3月、ソウルでディープマインド・チャレンジ・マッチ(DeepMind Challenge Match)が行われた。中国発祥の複雑なゲームである囲碁を学習したAI「AlphaGo」(アルファ碁)が、伝説的棋士のイ・セドルと対戦したのである。何百万人もの人々が、この知力の戦いを見守った。

結果は、機械が人間のライバルを打ち負かした。そしてそれは、AI時代の到来を後押しする出来事となった。

当時、Wiredはこう報じている。「この勝利が注目に値するのは、AlphaGoの中核にある技術が未来そのものだからだ。それらはすでにグーグル、フェイスブック、マイクロソフト、ツイッターを変えつつあり、ロボット工学から科学研究に至るまで、あらゆるものを作り変えようとしている」。

それから10年後、この言葉の先見性は、意外なレースでの番狂わせだけでなく、まったく別の文化的な場面にも見て取れる。数週間前、2026年のメットガラ(Met Gala、ニューヨークのメトロポリタン美術館が主催するファッション界最大の慈善イベント)に登場し、多くのアーティストや俳優、スーパースターから注目をさらったものがあった。

もちろん、それは人間ではなかった。

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翻訳=酒匂寛

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