オンラインメディア界の大富豪、バリー・ディラーが率いるメディア企業のピープルは、カジノ運営大手のMGMリゾーツ・インターナショナルに対し、1株あたり現金48.30ドル、評価額180億ドル(約2.86兆円。1ドル=159円換算)での買収提案を行う準備を進めていると報じられている。
ニューヨーク・タイムズが報じたこのニュースを受け、MGMリゾーツの株価は米国時間6月1日の時間外取引(プレマーケット)で15%急騰した。
以前はIACという社名で知られていたピープルは、すでにMGMリゾーツの株式の26.1%を保有しており、2つの取締役席も確保している。そのうちの1席にはディラーが就いており、彼は4月にピープルの株主へ宛てた書簡の中で、MGMリゾーツを「並外れた事業」と表現していた。
2020年からMGMリゾーツ株を買い増してきたディラーは、同社について「予測できないほど急速に変化する世界に対する、完璧なヘッジ手段」と述べていた。
MGMリゾーツは、ベラージオ、MGMグランド、マンダレイ・ベイ、アリア・リゾート・アンド・カジノ、パークMGMなど、ラスベガス・ストリップ地域にある施設の約40%を所有するほか、米国の複数の州や中国でもカジノを展開している。同社のルーツ(およびその名称)は、『オズの魔法使』や『風と共に去りぬ』などの映画を手がけた有名な映画スタジオ、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)にある。
当時、ストリップに購入した80エーカーの土地を開発中だった大富豪の投資家カーク・カーコリアンは、1969年に映画スタジオのメトロ・ゴールドウィン・メイヤーを買収した後、その名前を冠し、当時としては世界最大のホテルであるMGMグランド・ホテル・アンド・カジノを開業させた。
カーコリアンはMGMのブランド名と知名度をラスベガスのホテルやカジノのマーケティングに活用した。最終的には映画関連資産の多くを売却したものの、ライオンのロゴとMGMのブランディングは手元に残した。カジノ事業は1986年に始まり、現在のMGMリゾーツはその流れを汲んでいる。
MGMリゾーツは、先行するオンラインカジノ企業のファンデュエルやドラフトキングスに対抗するため、2021年にスポーツベッティング部門のベットMGMを立ち上げた。現在では、カルシやポリマーケットといった急成長中の予測市場との新たな競争に直面している。
世界最大のカジノ会社であるMGMリゾーツの総資産額は422億ドル(約6.71兆円)にのぼる。



