ミャンマーで11月に行われる総選挙が注目を集めている。長い間国際社会から孤立した国にとってこれは喜ばしいニュースだ。長らく反体制だったアウン・サン・スーチー氏の政党が勝利を収める可能性が高く、民主化による経済発展も期待できそうだ。
今回の選挙結果がミャンマー経済にどの程度プラスになるのかはまだ分からない。ただ一つ明らかなのは、ミャンマー証券取引所が12月にオープンするということだ。アジアのフロンティア経済圏であるミャンマー経済の行方は、アジア地域にとって重要な意味を持つ。
新興国の経済成長が鈍化する中、長らくメインストリームから外れ、最後方を走ってきたこれらの国こそが、今後の成長を担う重要な存在となる。その国々には、バングラディシュ、パキスタン、そしてスリランカがある。将来的には北朝鮮とモンゴルも加わるかもしれない。カンボジアやラオス、東ティモール、ネパール、そしてパプアニューギニアも、その候補と言えるかもしれない。環太平洋連携協定(TPP)を念頭に置けば、ベトナムもここに含まれる。
しかしこれらの国々には様々な課題がある。世界貿易機関(WTO)に加盟済みの国もあるが、政策の失敗や不正、汚職などが頻繁に露見し、民族紛争や宗教抗争などの暴力問題も共通の課題だ。しかし、少なくとも法の下の経済活動や表現の自由は解決への一助となるだろう。
多くの障害にもかかわらず、フロンティア経済圏はこの20年間で、かつては考えられなかった成長を遂げた。ジョージタウン大学の経済学教授、スティーブン・ラディット氏は新著「The Great Surge(偉大なる発展)」でその事実を述べた。
世界的な景気減速の中で、各国の大資本がこの地に次の成長機会を見出すことは自然な流れだ。これまで、これらの国の統治者たちはと、自分たちの利益を求め、軍事力を増強してきた。しかし今、情報や技術の進化によって、国民はよりよい生活を送れる可能性があることを知り、民主化への道に突き進んでいる。
スーチー氏らの奮闘により、国民民主連盟(NLD)はこの国を新たな道に進めるだろう。衝突を平和的に解決することが最優先課題だが、経済的にもアジア全体を押し上げることが期待されている。