リーダーシップ

2026.06.09 12:30

AI時代のリーダーに「自信は不要」、現場が求める必須スキルと昇進の条件

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また、目立つことよりもシステム思考が重視される。従来のリーダーシップでは人前に出て発言し、評価されることが重視されてきた。しかしAI時代のリーダーシップでは、ワークフローを設計し、意思決定の境界を明確にし、人間と機械の貢献を整合させることが求められる。こうした仕事は大部分が目に見えないものだ。会議の場では目につかず、時間の経過とともに成果として現れる。

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また、AIの導入によりマネジメントの焦点は個人のパフォーマンスからシステム全体のパフォーマンスへと移行している。価値は個々の能力の高さではなく、人間とAIの連携から生み出されるようになっている。管理職は他の人を支援し、AIをワークフローに取り入れ、部下が安心してAIの出力を疑い、自ら判断できる環境を作ることで影響力を発揮する。

AIが介在する環境では信頼が実践的な課題となる。従業員は自分では十分に確認も検証もできない意思決定を行うシステムとともに働くことをますます求められているからだ。従業員は完全に検証できない出力に頼り、見えないプロセスによって導かれた意思決定に従い、説明責任が不透明なシステムの中で働くことを求められている。インスピレーションだけではもはや不十分だ。システムを機能させるためには明確さや一貫性、心理的安全性が不可欠だ。

AI時代のリーダーシップ再考

こうした状況は放っておいても変わることはない。昇進制度はその設計の意図通りに機能するものだ。組織が今後も目立つ人や自己アピールの上手い人を選び続ければAIを活用した業務の要求に合致しない人材を引き続き重用し続けることになる。

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この状況を変えるにはまず潜在能力の定義を見直す必要がある。焦点は「誰が際立っているか」から「誰が他の人の能力を引き出せるか」へと移る。不確実な状況下で明確な方向性を示したり、インプットが曖昧なときに適切な判断を下したりするのは誰か。人間とAIが効果的に協働できる環境を構築できるのは誰か。

何を評価するかを見直す必要がある。既存のリーダーシップのフレームワークにAIリテラシーを追加するだけの開発プログラムでは本質的な点を見落としている。問題はリーダーが技術を理解しているかどうかではない。コントロールできない環境において、成果を直接生み出すのではなく、成果を生み出すための条件を整えることが役割となり、実行速度よりも判断力が重視されるような状況下でリーダーが効果的に行動できるかどうかだ。

こうした転換ができない組織は、AIへの多額の投資を続けながらも導入が進まず、信頼も得られず、期待外れの結果に終わる可能性がある。

Hoganの研究は、リーダーシップを役職ではなく、高い成果を生み出すチームを構築・維持する能力として捉えている。その定義は組織が実際に用いている定義よりも的確だ。AI時代においては、その2つの定義の相違の代償はもはや理論上の問題ではない。

組織は今まさに足を踏み入れようとしている世界のためなら決して選ばなかったであろうリーダーたちのもとで変革しようとしている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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