経済・社会

2026.06.02 10:45

習近平訪朝か 米中朝による朝鮮戦争平和協定への備えは

Chainarong - stock.adobe.com

北朝鮮側も悪い気はしないようだ。北朝鮮専門の独立系ニュースサイト「NKニュース」は4月、衛星画像を分析した結果として平壌の錦繡山迎賓館の敷地内に7階建ての建物などが新たに増設されたと伝えた。工事は昨年10月に始まったという。昨年9月ごろには、今年春の習氏の訪朝が決まっていたのかもしれない。

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そして、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換することは中国と北朝鮮、トランプ米大統領にとって大きな魅力がある。中朝両国は平和協定を盾に、「朝鮮戦争が終結した以上、在韓米軍が駐留する意味はなくなった」と主張するだろう。在韓中国大使館は、ブランソン在韓米軍司令官が5月、ポッドキャストで「中国から眺めると、韓国はアジアの中心に突き刺さった短剣のように見える」と述べたことに強く反発した。同じことは北朝鮮にも言える。そして、休戦協定に署名しなかった韓国をのけ者にして、米中朝3者による外交ショーを演出できる。米国はともかく、ノーベル平和賞が欲しいトランプ氏にとっても、平和協定の締結は魅力的な提案だろう。

ホワイトハウスは5月の米中首脳会談のファクトシートとして「トランプ大統領と習近平国家主席は、北朝鮮の非核化という共通の目標を確認した」と記した。これも、「長期的な目標」であって、事実上の軍縮交渉を行うという意味かもしれない。それなら、米朝双方の顔を立てられると習氏が考えている可能性がある。

いずれにしても、習近平氏がわざわざ訪朝するのであれば、それに見合った戦略と成果を求めるはずだ。習氏が金正恩氏を説得し、早ければ7月27日の記念日に、板門店で3首脳による調印式を開こうと持ち掛ける可能性はある。

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考えすぎかもしれないが、実現すれば、日韓両国にとって最悪の展開だ。平和協定の流れがそのまま、トランプ氏と金正恩氏との首脳会談再開への道を開き、米朝国交正常化の流れも生まれかねない。北朝鮮の核の脅威に日韓両国は取り残される。北朝鮮はさらに強気になり、日本人拉致問題での譲歩を一切拒むだろう。こうした展開への警戒が必要だろう。

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文=牧野愛博

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