サルを狩るワシ
オウギワシによるサルの捕食が初めて学術的に報告されたのは、1989年のことだった。研究者たちは、鳥類学誌『The Condor』に寄せた短報の中で、オウギワシがアカホエザル(学名:Alouatta seniculus)の成獣を襲った事例を記録した。当時すでに、オウギワシが大型霊長類を捕食したという報告は豊富にあったものの、野生下での正式な観察記録はこれが最初となった。
この事例において驚くべきは、単にワシがサルを襲ったことではなく、成長しきった成獣を狙ったことだ。報告を著した生物学者のペリ・イーソンは、1羽のオウギワシと5頭のホエザルが、樹冠で格闘する様子を詳述している。
オウギワシは鉤爪を目いっぱい広げ、1頭のアカホエザルのメスの成獣に急速接近したが、ホエザルはすんでのところで飛び降りて回避した。周りにいた群れの他個体は警戒音声を発した。ホエザルは難を逃れたものの、この報告は、オウギワシが霊長類の成獣を捕食することを学術的に裏づけた、初めての記録となった。
1年後の1990年、鳥類学誌『The Wilson Bulletin』に掲載された論文の中で、ブラジルの生物学者カルロス・A・ペレスが、初めて捕食の成功事例を報告した。このときも獲物はアカホエザルで、ただし今度はオスだった。
ペレスは、けたたましい声と力強い羽ばたきが入り乱れる、激しい騒乱が起こったと記している。ホエザルはもがいたが、オウギワシは襲撃の間じゅう、つかむ力を緩めず、わずか数秒後、絶命した成獣のサルをつかんで飛び去った。この観察記録は、熱帯雨林をフィールドとする生態学者たちが以前から知ってはいたが、正式な記録を残せずにいたことを裏づけた。オウギワシは、日常的に大型樹上性哺乳類を捕食することができる、世界でも数少ない鳥の一つなのだ。
オウギワシの捕食戦略の中で、何より驚嘆すべきは、彼らがおおむね、待ち伏せと脚力を頼りに狩りを行っていることだ。オウギワシは、はるか上空を帆翔するのではなく、長時間にわたって樹冠の陰にひっそりとたたずみ、至近距離から奇襲を仕掛ける。襲撃の際には、鉤爪が主な凶器となる。
攻撃は荒々しく、しかし驚くほど効率的だ。巨大な鉤爪は、獲物の体に深く突き刺さる。ワシは鉤爪を、パワフルな屈筋によって、すさまじい力で締め上げる。小型の獲物であれば、圧死または臓器の損傷により、即座に死に至るだろう。しかし大型の獲物、特に霊長類は、捕獲された後も時に激しく抵抗する。
2024年に霊長類学誌『American Journal of Primatology』に掲載された論文で研究者たちは、オウギワシに捕食されたとみられる獲物の死体に残された、身体損傷のパターンの分析を行った。
同論文の著者たちは、これらの獲物に残された刺し傷、骨の損傷、死後の解体の痕跡に、特徴的なパターンを見いだした。これらはいずれも、長時間にわたって引き裂かれた、あるいは噛まれた結果ではなく、握力を一点に集中させて獲物の動きを止める頂点捕食者によるものと解釈できるものだった。オウギワシは、狩猟戦略の観点からは、空飛ぶビッグキャット(大型ネコ科動物)と言っても過言ではない。


