新卒で会社に入るという従来のレールから外れ、フリーランスや起業を選ぶ「会社に入らない」生き方が、若い世代の選択肢として語られるようになった。だが、その動きに注目が集まる一方で、若者がキャリアに何を求めているのかはあまり見えてこない。
Webマーケティング教育を手がけるHagakureが、2026年春に社会人となった人を対象に実施した調査が、その実態を浮かび上がらせた。
会社に入らない選択をした人は2割
現在の進路を尋ねると、「企業に就職した」が59%で依然として多数派だった。一方、フリーランス(4%)、業務委託(9%)、起業・事業開始(5%)を合算すると、全体の19%が組織に属さないワークスタイルを選んでおり、およそ5人に1人が会社に入らない進路を取った計算になる。

ただ、この数字を多様化の象徴と見るのは早い。新卒で会社に入ることについて聞くと、「必須である」(27%)と「どちらかといえば必要」(45%)を合わせて72%が新卒入社を必要ととらえていた。

実際に会社に入らない選択をした層は一定数いても、入るべきだという規範はなお7割を超えて共有されている。従来の枠組みは揺らいでいると言われながらも、若者の意識のなかでは依然として強固なのだ。
不安の正体は今後スキルが通用するか
では、その枠組みのなかにいる若者は、何に不安を抱えているのだろうか。キャリアにおいて不安に感じていることを複数回答で尋ねると、最も多かったのは「スキルが通用するか不安」の41票だった。「どの道を選ぶべきかわからない」(35票)、「将来の収入が不安定」(30票)、「成長できる環境があるか不安」(29票)がこれに続く。

進路の選択肢が広がるなかで、若者の関心はどこに属するかということよりも、自分の能力が通用し続けるかという点へと向かっている。。「AIに仕事が代替される不安」も20票を集めており、技術の変化が自身の市場価値を脅かしかねないという感覚が不安の底流にあることがうかがえる。
会社に入るかどうかという入口の議論の手前で、入った後に自分が陳腐化しないか、という問いのほうが切実なのだ。



