AIチャットボット「Claude」を提供するAnthropic(アンソロピック)は、650億ドル(約10.34兆円。1ドル=159円換算)の資金調達を経て評価額が9850億ドル(約153.44兆円)に達し、OpenAIの評価額を13%上回り、世界で最も価値の高いスタートアップとなった。ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じている。
調達資金はAnthropicが先頭を走り続けるために投じられる。「この資金調達は、我々が直面している歴史的な需要に応え、研究の最前線にとどまり、Claudeをより多くのビジネスの現場に届ける助けになる」。Anthropicの最高財務責任者(CFO)クリシュナ・ラオは、そうNYTに語った。
Anthropicの急速な価値上昇は、早ければ10月のIPOに向けて好材料となる戦略的決定と競争優位性によるものだ。過去14カ月間で同社の価値は約15倍に増加し、年平均成長率は556%に達した。TechTimesによれば、この上昇は「ほぼ前例のない」ものだという。
これは投資家にとって1つの疑問を提起する。
Anthropicが上場した場合、価値は上昇し続けるのか
その答えは、上場後もAnthropicが予想を上回る売上高と利益の成長を維持できるかどうかにかかっている。決定的に答えられるだけの情報は十分ではない。
しかし、以下の2つの問いに対する答えから、相応の近似は得られる。
(1)Anthropicの売上高はどれほどのペースで成長しているのか
Anthropicの売上高は加速している。実際、その数字は47倍に跳ね上がった。2025年初頭の年間リカーリング収益約10億ドル(約1590億円)から、2026年5月には470億ドル(約7.47兆円)に達したとCNBCが報じている。また、CNBCによれば、Anthropicは109億ドル(約1.73兆円)の売上目標を達成すれば今四半期に黒字化する見込みだという。
この成長を支えているのがClaude Codeだ。AIベースのコーディングツールであり、企業向けコーディング市場を席巻している。2025年5月のClaude Codeローンチから3カ月以内に、同製品の年間リカーリング収益は5億ドル(約795億円)を突破し、2026年2月までにその数字は5倍の25億ドル(約3975億円)に達した。
一方、Anthropicは企業向けAIコーディング市場でOpenAIから大きなシェアを奪っている。大規模言語モデルへの企業支出に占めるAnthropicのシェアは、2024年の24%から推定40%に上昇した。Menlo Venturesによれば、OpenAIの2024年シェアは2023年の50%から27%に低下している。
さらに注目すべきは、AIコーディング分野においてAnthropicがOpenAIのシェアを大きく削った点である。2025年末までに、AIコーディングにおけるAnthropicのシェアは2025年6月の42%から年末には54%に拡大し、OpenAIの21%の2倍以上となったとMenlo Venturesは付け加えている。



