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2026.06.01 08:00

ロシアの影響力低下で変化するユーラシアのエネルギー勢力図

Getty Images

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が5月9日に一方的に停戦を宣言したにもかかわらず、同国はウクライナのエネルギー施設への攻撃を続けている。これに先立ち、ロシアのアレクサンドル・ノワク副首相は同月1日から「技術的な制約」により、ロシアのパイプラインを経由したカザフスタン産原油のドイツへの供給を停止すると明らかにした。1960年代に稼働を開始した「ドルジバ・パイプライン」は、ロシアのタタルスタン共和国を起点にベラルーシとウクライナを経由し、北ルートはドイツとポーランドへ、南ルートはスロバキアとハンガリーに石油を供給している。今回の措置により、ドイツの首都ベルリンで消費される燃料の大部分を供給し、原油の17%をカザフスタンに依存しているPCKシュベト製油所は深刻な打撃を受けている。ドイツはロシア産原油への依存から脱却しようとしているが、同国のパイプラインに依存し続けたことが誤りだった。2014年のロシアによるウクライナ南部クリミア半島併合後も、ドイツはロシア産天然ガスへの依存を断ち切ることができなかった。地政学情勢が不安定化する中でも、低価格で入手しやすいロシア産天然資源の魅力があまりにも大きく、手放すことができなかったのだ。

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イラン情勢の悪化に伴う燃料不足が深刻化する中、ロシアは欧州で新たなエネルギー危機を引き起こそうとしている。これは、同国がユーラシア大陸のエネルギー勢力図に対する影響力を持ち続けていることを改めて示すものだ。だが、より重要なのは、こうした混乱が繰り返されるたびに、ロシアを迂回(うかい)する必要性が高まるという点だ。かつては疑いようもなくロシア中心だったエネルギーシステムは、徐々に細分化されつつある。その細分化が進むにつれ、同国は影響力を失う前に、持てる限りの影響力を利用しようとするだろう。こうした高圧的な行動の頻度が増していることは、ロシアの強さではなく、弱さの表れだと言えよう。

ロシアは過去数十年にわたり、他に類を見ない地政学的地位を占めてきた。同国は世界有数の石油・ガス生産国であるだけでなく、中央アジア産資源を欧州や国際市場へとつなぐ主要な輸送拠点でもある。ソビエト時代に建設されたパイプラインや輸出ターミナルにより、ロシアはユーラシア大陸のエネルギー輸送の拠点となったのだ。

だが、そのモデルは現在、圧力にさらされている。2022年2月のロシアによるウクライナへの全面侵攻開始を機に、西アジアと中央アジア諸国の政府は、ロシアが支配する輸送経路への依存を低減させる取り組みを進めている。その結果、ほんの数年前までは経済的に非現実的だった代替経路が出現した。とはいえ、代替輸送経路が実現可能になったとしても、ソビエト時代の既存の設備が現在扱っている輸送量を完全に処理するには、政治的意思や協調的な資金の流れ、厳密に管理された社会基盤建設のほか、すべてが順調に進んだとしても約10年の開発期間が必要となる。

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翻訳・編集=安藤清香

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