経済

2026.06.05 08:15

5年連続1万品目突破目前、飲食料品値上げ今夏に再びラッシュの兆し

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生活基盤を支える飲食料品の価格動向が、夏を前に再び緊迫の度合いを強めている。一時期に比べて緩やかになったとされた値上げの動きだが、足元では新たなリスク要因が浮上。コスト上昇分をいかに適正に価格へ反映させるかというコスト転嫁の動きは、今夏以降に広範囲なラッシュとして再燃する可能性が高まっている。

帝国データバンクが実施した「『食品主要195社』価格改定動向調査(2026年6月)」によると、2026年6月の家庭用を中心とした飲食料品値上げ品目数は合計1078品目となった。単月で1000品目を超えるのは同年4月以来2カ月ぶりのことである。前年同月の1940品目と比較すると約半数にとどまるものの、わずか84品目であった前月からは実に13倍という大幅な増加を記録。値上げ1回あたりの平均値上げ率は14%に達しており、各社が一過性ではないコスト負担に直面している実態を裏付けている。

6月に実施される値上げの内訳を食品分野別に分析すると、最も品目数が多いのは香辛料やふりかけ類を中心とした「調味料」であり、450品目で最多となった。次いで納豆製品や缶詰、即席麺などが中心の「加工食品」が304品目で続き、日常的な食卓への影響が避けられない分野での改定が目立つ。また、2026年通年の値上げ品目総数は、10月判明分までで既に9361品目に到達。早ければ6月中にも、調査を開始した2022年から5年連続となる年間1万品目突破が確実視される情勢だ。

値上げの要因としては「原材料高」が97.7%と依然として高水準を占める。しかし同時に、「物流費」が2026年内で最も高い74.1%に達したほか、「包装・資材」も5月末時点として初めて7割台となる73.7%へと上昇。特に、中東情勢の悪化を背景としたナフサ価格の上昇分を反映する動きが強まっており、トレーや食品フィルム、インクといった包装資材のコスト高や品薄が、飲食料品価格へ直接波及する要因として全体の22.7%を占めるに至っている。

一方で、人手不足に伴う「人件費」を理由とした値上げは54.7%と上昇傾向にあるものの、賃上げなどの労務費由来の影響は相対的に弱含みで推移。現在はそれ以上に、地政学リスクに起因する資材高や輸送コストの急騰を価格へ転嫁せざるを得ない局面を迎えている。

今夏以降、これらの要因が重なることで広範囲な値上げラッシュが続くとみられ、年間の累計品目数は2022年以降で最も少なかった2024年の1万2520品目を上回る可能性もある。サプライチェーン全体の動向を見極める厳しい視線が、今後さらに求められる。

出典:帝国データバンク「『食品主要195社』価格改定動向調査(2026年6月)」より

文=飯島範久

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