アジア

2026.06.01 07:00

「ルピー安」が映すインドの窮状 トランプ関税やイラン情勢で打撃、AIブームにも乗れず

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もちろん、それを言えばインドネシアも双子の赤字を抱えているし、その通貨ルピアは1997~98年のアジア通貨危機以来の安値水準にある。フィリピンペソもまた苦境にある。とはいえ両国の場合、年初に自国経済は順風満帆だと勝ち誇っていたわけではない。

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一方、インドはと言えば、GDPの規模で日本を追い抜くという早計な報告にも歓喜の声が上がっていた。現実にはそれも容易には進みそうにない。また、モディ政権はほかの大半の国の政府以上に、人工知能(AI)が大きな潮流になるということを見落としていたように見える。

その結果、インドはGDPで日本を追い抜くのを祝うような状況ではなくなっている。それどころか、株式市場の時価総額で台湾に追い抜かれたことが大きく報じられ、苦悩している。というより、人口がインドの60分の1程度しかない島がこれを成し遂げたことを快挙と呼ぶべきかもしれない。頼清徳(ライ・チンドォー)総統率いる台湾は、経済規模も約9670億米ドル(約154兆円)とインドの4分の1以下だ。

一握りの企業に大きく依存する株価指数が健全なのか、それとも暴落につながりやすいものなのかは、歴史が示すことになるだろう。一握りの企業というのは具体的に言えば、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)、韓国のサムスン電子やSKハイニックス、米国のエヌビディアなどだ。インドもデータセンターブームの恩恵は受けているものの、AI分野で主力となるような企業を欠いている。中国の新興AI企業DeepSeek(ディープシーク)のインド版と呼べるような企業が出現しそうなのなら、そろそろひとつやふたつリークがあってもいい頃だ。

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こうしたもろもろもろの事情により、インド政府はもはや、ちょうど良いゴルディロックス的な状況から遠ざかってきている。それどころか、インド準備銀行(中央銀行)が24時間体制で警戒態勢を敷き、ルピー防衛に追われているのが現状だ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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