映画

2026.06.05 10:15

「デイ・アフター・トゥモロー」は警告する 23年目の気候激変の兆し

Atlantis - stock.adobe.com

南極での調査中に氷棚の崩壊に遭遇した気象学者のジャック・ホール(デニス・クエイド)は帰国後、地球温暖化国際会議で危機を訴えるものの出席した米副大統領に一蹴されるが、彼の学説を支持する海洋学者テリーと知り合う。一方、ジャックの息子サム(ジェイク・ギレンホール)は、高校生クイズ大会に出場するためニューヨークに旅立つ。この間に、世界のあちこちでそれまでにない気象変異が起こるようになる……ここまでがプロローグだ。

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このあと、ドラマは主に三地点で進行していく。まず、ジャックや調査団の仲間たちがいるのは、自宅と勤務先の国立海洋気象庁のあるワシントンD.C.。テリーが二人の研究員と共に籠っている海洋研究所はスコットランドの田舎。サムと同じチームの同級生のローラ、ブライアンはニューヨークに滞在する。あとからそこに、資産家の息子J.D.が加わる。

つまり離れた地点で同時進行する少人数の闘いが見どころの一つであり、それは最終的に、大津波と豪雪で廃墟同然となったニューヨークに向けて、厳しい寒波の中、ジャックが息子の救出に行くという親子のドラマに絞られていく。

パニック映画の定石として使われる要素はこうした親子の絆だけでなく、バラバラだった家族の恢復、若者のロマンス、犠牲になる仲間、辛くも生き延びる弱者、敵対者の敗北といったものがあるが、本作にはそれがすべて登場している。

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医師をしている妻のルーシーとジャックの間は冷えており、サムとジャックにも若干の距離があるが、それぞれが闘い支え合った結果、関係が修復される(家族の恢復)。ニューヨークに着いてから突然の大寒波や洪水に遭い、避難したニューヨーク公共図書館でのサバイバルの中、サムとローラの関係は互いの勇気や献身を意識することで縮まっていく(若者のロマンス)。

一方、遠隔で観測中のAMOCの異常についてジャックに伝え続けていたテリーの研究所は、雪に閉ざされたまま燃料切れを迎えるし、ジャックの同僚の一人も痛ましい選択をする(犠牲になる仲間)。しかし、サムらとニューヨーク公共図書館に逃げ込んだホームレスと犬は生き残り、病人の子供に付き添って病院に残ったルーシーの元には救急隊が駆けつける(辛くも生き延びる弱者)。そして、ジャックの警告を無視し続けた副大統領は、大統領を失い、メキシコへと逃げる大量のアメリカ難民を生み出したことで、自らの間違いを認める(敵対者の敗北)。

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文=大野左紀子

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