宇宙

2026.05.31 16:30

ベゾスの大型ロケット「ニューグレン」が爆発炎上、有人月面探査などへの影響懸念

(c)NASASpaceflight

今後のミッションへの甚大な影響

ニューグレンは4月19日に3回目の打ち上げが行われ、衛星の軌道投入には失敗したものの、第1段ブースターを無人船に自律着陸させることに成功していた。すでに多くのミッションを控えるニューグレンは、これから運用が本格化されるところだった。

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今回の事故のわずか2日前、5月26日に開催されたNASAのカンファレンスでは、アルテミス計画の月面基地建設ミッション「ムーンベース1」として、ブルーオリジン社の無人月輸送機ブルームーンMk1とニューグレンの打ち上げが2026年秋に設定されたばかりだった。しかし、今やその実施は2027年以降にスリップすることが確実視されている。

また、同カンファレンスでは、アストロラボ社とルナーアウトポスト社の有人月面ローバーを、ニューグレンで打ち上げる新ミッションも発表され、ブルーオリジン社はこの選定で1億8800万ドル(約301億円、1ドル160円換算)を獲得した。しかし、2027年以降が見込まれていた同ミッションも、2028年以降になるだろう。

ブルームーンとニューグレンは、2027年に予定されるアルテミス3による有人地球低軌道ミッションと、2028年のアルテミス4による有人月面探査ミッションの候補にも挙げられている。しかし、ブルーオリジンの打ち上げの目途が立たなくなった今、ライバルであるスペースXにその栄誉が奪われる可能性が高い。

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そのほかにもブルーオリジン社は、Amazon、ASTスペースモバイル、ワンウェブ(英)、ユーテルサット(仏)などと、ニューグレンによる衛星の打ち上げ契約を多く結んでいる。このうちAmazonは、やはりベゾス氏が運営する企業だが、同社が推進する衛星コンステレーションによるブロードバンドシステム「Amazon LEO」では、FCC(米連邦通信委員会)のスペクトラムライセンス(電波の独占利用許可証)を維持するために、2026年7月までに1618基の衛星を軌道に乗せる必要がある。しかし、5月30日にアトラスVで打ち上げられた29基を含め、現時点で軌道上にあるAmazon LEOは331基に留まる。同契約の期限が延長されたとしても、ニューグレンの目途が立たない限り、その構築は大幅に遅延するだろう。

編集=安井克至

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