宇宙

2026.05.31 16:30

ベゾスの大型ロケット「ニューグレン」が爆発炎上、有人月面探査などへの影響懸念

(c)NASASpaceflight

宇宙情報サイト「NASASpaceflight」が捉えた動画によると、第1段のエンジンは現地時間の21時に点火された。その直後、第1段が炎に包まれ、続いて第2段からも出火すると、炎は瞬時に機体全体に広がり、機体は弾けるように爆発した。

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爆発地点から遠方に向けて高速で飛ぶ物体は、機体に搭載されていた高圧ガスの容器「COPV」(複合材巻圧力容器)だと思われる。上空まで上がった巨大な火球は衝撃波をともない、それが大気を伝播する様子も確認できる。この爆発で発生した閃光は、射点から約120マイル(193km)離れたフロリダ州西海岸の都市タンパでも観測されたという。

地上施設の甚大な損傷

事故の翌日にはその現場を、ブルーオリジンの創業者であるジェフ・ベゾス氏、CEOのデイブ・リンプ氏、NASA長官ジャレッド・アイザックマン氏が視察した。

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ニューグレンとそれを保持する発射台タワーは跡形もなく消え去り、その両側に立つ避雷針タワーの一方は倒壊している。もう一方は倒壊こそ免れたが、そのトラス構造には歪みが確認できる。水平状態のニューグレンを垂直に起立させるための移動式起立機構(トランスポーター・エレクター)も完全に破壊されていた。

(c)Google
米フロリダ州にあるケープカナベラル宇宙軍基地 (c)Google

発射台と並んで立つ給水塔は原型を留めている。発射台の西北約180m離れた場所にはタンクファームと、南西約600mにはロケットの統合施設があるが、外部から見た限り大きな損傷はない。統合施設の内部には事故当時、もう1機のニューグレンが格納されていたが、同機には損傷がないことがリンプ氏によって報告された。

事故から2日が経過した2026年5月31日の時点では、ブルーオリジン社から事故原因に関するリリースは発表されていない。SNS上では専門家やメディアによってさまざまな推測がなされているが、地上施設の復旧には1年から1年半かかるとの見方が大勢を占める。その結果として、ニューグレンを使用する今後のミッションには大幅な遅延が見込まれる。

現行のニューグレンには、第1段に7基のBE-4エンジン、第2段に2基のBE-3エンジンが搭載されているが、ブルーオリジン社は2025年末、その派生型を開発することを発表した。同仕様機の第1段には9基のBE-4、第2段には4基のBE-3が搭載される予定だが、この派生型を打ち上げるには発射施設も改修する必要がある。そのデビューは2020年代後半が見込まれていたが、今回の改修にともない、ブルーオリジンが早期に派生型への完全移行を図る可能性もある。

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編集=安井克至

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