教育

2026.06.04 14:30

MITが研究資金の「大幅な減少」に直面 イノベーションの停滞を学長が警告

Marcio - stock.adobe.com

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マサチューセッツ工科大学(MIT)のサリー・コーンブルース学長は2026年5月14日、大学コミュニティに向けたビデオメッセージにおいて、同大学が研究資金の「大幅な減少」に直面しており、大学院の入学者数も大きく落ち込む可能性が高いと認めた。

コーンブルース学長はビデオメッセージでこの厳しい状況を伝え、MITの財政的困難が深まっている主因として、連邦政府資金の大幅削減、大学基金(エンダウメント)への増税(税率8%への引き上げ)、そしてトランプ政権による移民制限政策を挙げた。

コーンブルース学長によれば、2025年と比べて連邦政府の助成によって賄われる学内研究が20%以上減少した。加えて、MITの研究者に対して新たに付与された米連邦政府の研究助成金の数も20%以上減っている。

失われた資金の一部を連邦政府以外の資金源によって埋め合わせてはいるものの、その規模は削減分を補うには十分ではない。その結果、連邦・非連邦の両資金源によるMITの受託研究活動は、1年前と比べて10%縮小している。「世界で最も影響力があり、生産性の高い研究コミュニティの1つにとって、これは大幅な減少である」とコーンブルース学長は述べている。

こうした資金の減少は、第2の問題──MITの人材パイプラインの混乱──に直結している。コーンブルース学長は、連邦政府資金の減少に加え、大学側が「留学生や研究者に影響する米国の政策変更が、MITに優秀な人材が応募するのを思いとどまらせていることを示す明確な兆候」を確認していると語った。

2026年、MITの大学院生の在籍者数は減少しており、コーンブルース学長はこの傾向は続くと見ている。次年度の秋期入学に向けた選考が終盤を迎える中、教員が学生を支えるために必要な助成金を確保できるか確信が持てないため、学術プログラムの責任者は新たな大学院生の受け入れに慎重になっているという。

まだ入学者の選考が進行中のMITスローン経営大学院と工学修士課程を除くと、来年の新規大学院入学者は約20%減少している。つまり、スローン経営大学院を除いた全体で、大学院生が約500人少なくなる可能性がある。

コーンブルース学長は、財政圧力がもたらす最悪の影響は「並外れて才能ある数百人の若者がMITの教育の恩恵を受けられず、私たちも彼らの創造的な輝きの恩恵を得られないこと」だと述べた。学長は問題を過小評価せず、「この新たな圧力に対応するには、支出を切り詰めるだけでは足りない。そして、小手先の予算削減では済まない」と明かした。大学院生が失われ、ポスドク(博士研究員)は採用されず、高品質な研究が打ち切られている。

MITは、連邦政府からの資金の削減や中断の影響を受けた研究者に対して、学内資金による「つなぎ」の支援を提供する計画を進めているものの、コーンブルース学長はそれが「長期的な解決策にはならない」と認めた。そして、結果として「教員や学生の勢いが失われ、率直に言って国家にとっての損失になる」と警告した。「基礎研究のパイプラインを縮小すれば、将来の解決策やイノベーション、治療法への流れを詰まらせ、将来の科学者の供給も縮小してしまう」

コーンブルース学長はメッセージの結びに、「これらの事実をまとめて聞くと、非常に厳しく、先行きに暗雲が立ち込めているように感じられる」と認めつつも、「長い歴史の中で、MITはこれまでも多くの深刻な嵐に直面し、それを乗り越えてきた」と強調した。MITは最先端の研究を追求し続け、修士課程の入学者の増加、民間からの寄付の拡大、そして研究ミッションの重要性に関する継続的な提言といった戦略を通じて、財政的減少の相殺を図るとしている。

forbes.com 原文

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