サイエンス

2026.06.08 17:30

新生児の骨が「大人より100個も多い」理由、進化は意図的に私たちを未完成にした

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あなたが生まれた時、骨の数は、大人になった今と比べておよそ100個多かった。そしてそれらのほとんどは、成人するまでにほかの骨と融合してしまった。

たまたまそうなったわけではない。生物学的な設計図によって、融合するよう、緻密に決められているからだ。こうした設計が生まれた背景には、人類史上でも有数の重大な進化のトレードオフが隠されている。それは、頭蓋骨だけでなく、すべての四肢や関節、椎骨、指の関節など、人体のあちこちに刻み込まれている。

子どもの体内に存在するそうした「余分な骨の構造」のほとんどは、軟骨として始まる。軟骨は、しなやかで柔軟な組織だが、「軟骨内骨化」という過程を経て、徐々に硬い骨へと変質していく。

何カ月、何年もの時間をかけてカルシウム塩が沈着していくにつれ、軟骨でできた原型が、硬い骨基質に置き換わり、小さく分離していた個々の断片がくっついて、より大きな一つの構造へと変化するのだ。

このプロセスを推し進めるのは、軟骨細胞の増殖・肥大化・石灰化という、波のように連続して起きる段階的な働きだ。緻密に制御されながら連動する細胞のこうした動きは、骨格全体で同時に、しかし骨ごとに異なる速さで進んでいく。

重要なことだが、ヒトの骨格が発達を完了するのは20代半ばになってからだ。こうした発達過程は、人体で進む生物学的なプロセスのなかでも、最も長期にわたる部類に入ると言って間違いない。

人体は、常に作業が進む建設現場

生まれたばかりの赤ちゃんの体内で何が起きるかを理解するためには、新生児の体の構造全体を考察する必要がある。まずは脊椎だ。各椎骨は、3つの一次骨化中心(Primary Ossification Center)と、最大で5つの二次骨化中心から発達する。生まれた時には、神経弓、椎体、輪状骨端は、すべて分離した構造になっている。

この分離した構造は、幼少期から思春期にかけて、徐々に融合していく。2021年に『Journal of Clinical Medicine』で発表されたCT(コンピュータ断層撮影)をもとにした研究では、中部胸椎と胸腰椎の環状骨端(椎間板を固定している骨の端)が、成長期が終わる10代後半まで完全に融合しないことが確認された。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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