欧州

2026.05.31 07:00

ウクライナのAIドローン、ロシア軍の補給トラックを次々に破壊 「スウォーム」運用も開始か

ウクライナ南東部マリウポリ方面の幹線道路で、ウクライナのドローン(無人機)がロシア軍の兵站を担うトラックを攻撃する様子とされる画像。ウクライナ国家親衛隊第1アゾフ軍団がソーシャルメディアで公開した動画より

こうした考え方は、ウクライナ国家親衛隊第1軍団「アゾフ」が最近公開した動画にもうかがえる。そのなかに映っているある攻撃では、最初にロシア軍のパトルーリ四輪駆動装甲車がドローン攻撃を受けていたらしい。その回収のために派遣された救援車両に対して、おそらく後続のドローンが攻撃を加え、一度の攻撃で連鎖的な兵站損失をもたらしている。

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OSINTアナリストのカイル・グレンも前出のガーディナーと同様に、これらの攻撃はすでにスウォーム攻撃と呼べる段階にあるとの見解を筆者に示した。一部の映像では、複数のドローンが同じ兵站ルートで同時に作戦行動を実施していることが確認できるという。

グレンは当初、偵察ドローンが攻撃ドローンを誘導していると考えたが、むしろウクライナが十分な数のホーネットを投入し、臨機目標(計画外や要求外の偶然遭遇した攻撃可能な目標)を発見しだい、攻撃していると考えたほうが、よりシンプルに説明できるという。

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ドローン防護ネットのような対抗手段は構築に時間がかかり、ロシア軍の兵站部隊はそう簡単に幹線道路の使用をやめるわけにはいかない。

ウクライナ軍第412独立無人システム旅団「ネメシス」は5月27日、ソーシャルメディアへの投稿で、こうした攻撃によって、マリウポリ、メリトポリ、クリミアを結ぶR-280幹線道路、ロシア側の呼称「ノボロシア」回廊の一部区間で、ロシア当局が大型軍用車両の通行を制限せざるを得なくなったと主張した。

ネメシス旅団によれば、未舗装道路や農道を利用しようとするロシア側の試みもうまくいっていないという。ウクライナのドローンは、主要な幹線道路を迂回した車両も探知して攻撃できるからだ。同旅団は作戦縦深の兵站攻撃用に、これまで公表されていなかった「クリラ(翼)」という攻撃ドローンを投入していることも明らかにした。クリラはこうした任務のためにメーカー側と連携して開発されたものだといい、これはウクライナが後方深部の兵站阻止に特化した新型ドローンシステムへの投資を続けてきたことを示唆する。

まさにそれこそ、ウクライナ軍によるドローン阻止作戦の根底にある発想だ。前線から遠い後方ほど、輸送されている物資はより大量で、より重要である可能性が高い。それを、より遠方に到達可能なドローンでたたくのだ。

ISWのバロスは、ウクライナが作戦縦深のドローン攻撃を続けていけば、歩兵部隊による土地奪還のための条件を整えるのに役立つ可能性があると言う。それは突然の突破を生み出すといったやり方ではなく、ロシア軍を徐々に消耗させ、部隊の交替を妨害し、補給を弱体化させるという方法によってだ。ロシアにとって、クリミアへの陸の回廊は、守るのがだんだんと難しく、利用すれば損耗がかさむものになりつつある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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