キャリア・教育

2026.05.31 12:00

AMDのCEO、リサ・スーがMIT卒業式で述べた祝辞「難問に挑め、AI時代の未来は人間が決める」

MITの卒業式におけるリサ・スー(Erin Clark/The Boston Globe via Getty Images)

MITの卒業式におけるリサ・スー(Erin Clark/The Boston Globe via Getty Images)

今年の卒業式をめぐってさまざまな騒ぎがある中、私はAMDのCEOであるリサ・スーの卒業式祝辞に出席できたことをうれしく思った。スー自身もMITコミュニティの一員であり、人間性、AI、そして未来について、意義深い言葉を語った。

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(※訳注:2026年の米大学の卒業式シーズンは、招いた講演者を過去の発言などを理由に直前で降板させたり、学生スピーチを事前録画・事前承認制に切り替えたりする動きが相次ぎ、全米で物議を醸していた。背景には、ガザ戦争をめぐる学内の対立や抗議活動が近年の卒業式に影を落としてきた経緯がある)。

スーは、1986年にMITにやって来た当時のことを語った。現在の目で見れば、それはアナログの時代であり、私たちが現在テクノロジーとして当たり前に使っているものの多くが、まだ存在しなかった時代である。それでも当時から、学生や教員はその時代を切り開くプロジェクトに懸命に取り組んでいた。スーが講演の中で特に強調したのは、実際に手を動かして実験し、ものを作るという経験だった。

「MITには、自分が行けると思っていた地点よりもさらに先へと、皆さんを押し出す驚くべき力があります」と彼女は述べた。「皆さんは問題と格闘しました。回路を1つや2つ焼ききったこともあったでしょう。そして、なぜか……それは動いたのです。すると突然、自分は本当に何かを作れるのだと気づきます。私が自分をエンジニアだと感じ始めたのは、その時でした」。

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実際、スーの説明によれば、最終的に彼女を半導体業界へと導いたのは、こうした仕事だった。彼女は現在、この業界で著名な人物である。彼女はMIT時代の初期のプロジェクトについて語った。それは39号館でX線リソグラフィ用のマスクブランクを作るというものだった。

「私はたくさんの実験をしました」と彼女は語った。「そのほとんどは、期待した通りにはいきませんでした。そこで調整し、もう1度試しました。それは最高に面白い体験でした。初めて、私は教室でテクノロジーについて学んでいるだけではありませんでした。新しいものを発見しようとするチームの一員だったのです。私はこう思ったことを覚えています。すごい、こんなに小さなものを作れるのか。硬貨ほどの大きさのダイ(半導体チップ本体)に収まるほど小さいのに、世界を変えるほどの力を持つものを。そしてその時、私は半導体に魅了されました」。

個人としての成長

スーの話の中で、私がもう1つ気に入ったのは、非常に個人的な過程についての部分だった。同時にそれは、ある意味では多くの人に共通する経験でもあるように思える。彼女は、学生が少しずつ、段階的な変化を通じて専門家になっていく過程について語った。ここでは、彼女自身の言葉をそのまま紹介する。

「少しずつ、私はその分野について学び始めたばかりの新米大学院生から……独自の研究を行い、その分野に実際に新しい貢献をする人間へと変わっていきました。そしてその過程で、私は自分自身を信じるようになりました。常に答えを知っているという自信ではありません。まだ答えを知らなくても……自分なら見つけ出せるという自信です」。

この部分で私が気に入っているのは、スーが大きなことを非常に簡潔な言葉で表現している点だ。それは時間がかかり、微妙なニュアンスを含み、重要な自己発見でもある。

自信。それは人の歩みにおいて重要な要素だ。

「今振り返ると、MITが私に教えてくれていたのは、半導体物理よりもはるかに大きなことでした」とスーは付け加えた。

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翻訳=酒匂寛

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