著名フーディー、人気レストラン紹介メディア「タケマシュラン」主宰のタケマシュラン氏は「これまでに数百人とフランス料理の会食を重ねてきた」という食の達人だ。氏が紹介した店は「即日で予約が取れなくなる」とも言われるほどの影響力を持つグルメインフルエンサーでもある。料理の味のみならず店の雰囲気、サービス、哲学までをオールラウンドに見る氏の辛口グルメレビューは絶妙なユーモアと皮肉にくるまれた容赦ない舌鋒に定評があり、絶大なファン層の厚さを誇る。
Forbes JAPANでは今後書き下ろし寄稿で氏の哲学思想を紹介していく。
店が1 人客を「好ましく思わない」様々な事情
今回のテーマは「おひとりさま」。独りで高級レストランにお邪魔する際に気をつけたい点を考えていきましょう。
ここで議論の対象とするのは「客単価2万円以上(2026年現在)」「初めての訪問」とさせてください。気楽な酒場やファストフード、ファミリーレストランに独りで訪れることに気後れする方はいないでしょうし、いくら高級店であっても常連であれば、そのお店の暗黙のルールをすでにご存じでしょうから、わざわざ私が案内するほどでもないはずです。加えて、そもそも独り客が来ることを前提に設計されているようなお店、たとえばラーメン店や喫茶店、バーなどには今回、触れないでおきます。
まずはお店選び。フレンチ、イタリアン、日本料理、鮨など色々とありますが、こと「おひとりさま」に限って言えば、そもそも1人客を受けているかどうかを最優先で確認してください。と言っても簡単な話で、レストラン予約サイトの予約人数の選択肢に「1名」があるかどうかを確認するだけで充分です。お店によっては後述する様々な事情から1人客を好ましく思っておらず、予約サイトでは2名以上の予約しか受け付けていないことがままあります。ここでムキになって頑張らずに、縁がなかったと諦めましょう。なに、良いレストランなんて星の数ほどあります。特定の飲食店にこだわる必要はありません。
ここで、「1人客を好ましく思わない様々な事情」について、たとえば以下が挙げられます。
・ 本来2~4人で座るはずのテーブルを1人で占有されると遊ぶ席が生じてしまい、専有面積に対する売上が小さくなる(同じ理由で3人など奇数での予約を嫌う店もある)。
・ 会話する相手がいないため食べるペースが早く、他のテーブルに比べると間延びしがちであり、それに配慮するあまりオペレーションが崩れてしまう。
・ そもそも1人客はクセの強い厄介な客が多い。
もちろんこれらの事情が全てのお店に当てはまるわけではなく、だからこそ1人客を受け入れる高級店も存在します。繰り返しますが、ここでムキになって「どうして1人で予約できないんですか!?」のように交渉したりしないように。「ああ、やっぱり1人客は面倒な連中が多い」とお店側は態度を硬化させるだけです。
なお、基本的に1人客を受け付けていないお店であっても、当日予約であれば受け入れてくれる場合もあります。ドタキャンが生じたり、そもそも満席にならなかったりと理由は様々ですが、「座席と食材を余らせるよりはマシ」という判断です。そういった状況をSNSに載せるお店もあれば、席が埋まらなかったことを恥と捉え、あえて無言を貫くお店もあります。ダメモトで電話したらあっけなく予約できた、なんて話も漏れ聞いていますので、例外的な事象として頭の片隅に置いておきましょう。



