宇宙

2026.05.30 12:30

ISSで空気漏洩が再発、老朽化しても「まだ落とせない」米露の事情

(c)NASA

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ISS(国際宇宙ステーション)から再び空気が漏洩しはじめたことを、5月上旬にロスコスモス(ロシア宇宙機関)が確認し、同月21日(米東部時間)にはNASA(米航空宇宙局)も確認した。この事案は米国の科学情報サイトArs Technicaによって最初に報じられた。

NASAの広報担当者ジョシュ・フィンチ氏によると、5月1日、ロシアのサービスモジュール「ズヴェズダ」において、軽度な圧力低下が発生していることをロスコスモスが確認した。その事象は、ズヴェズダにドッキングした無人輸送機プログレスMS-34から、ロシアのクルーが積載物を降ろした後に発見された。空気の漏洩量は1日あたり約1ポンド(454g)。ズヴェズダからの空気漏洩は2019年から続いていたが、今年1月には停止したと公表されていた。

ISSは現時点で2030年の退役が予定されている。しかし、その後続機となる民間の商用宇宙ステーションの開発が遅延していることから、 ISSの退役時期は米議会やNASAによって延長されようとしている。 そうした状況の中で再発した今回の空気漏洩は、ISSの運用だけでなく、米国とその同盟国における今後の低軌道計画に大きな影響を及ぼす可能性がある。

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2019年から続く空気漏洩

ISSは船首側の米国区間と、後方のロシア区画に大別される。ズヴェズダはロシア区間にあり、ISSのもっとも船尾に位置している。姿勢制御装置、電力装置、生命維持装置などを搭載するこのサービスモジュールは、ISS建設の最初期である2000年に打ち上げられ、16基ある主要モジュールのなかでは3番目に古い。

ロシアモジュール「ズヴェズダ」の構造図。空気漏洩はPrkで発生。同部位は移送トンネルとも呼ばれる (c)NASA
ロシアモジュール「ズヴェズダ」の構造図。空気漏洩はPrkで発生。同部位は移送トンネルとも呼ばれる (c)NASA

ズヴェズダの全長は13.8m。移送室(PKhO)、主作業室(RO)、集合体室(AO)の3つの部位で構成され、その最後部にはドッキングポートを備えている。このうち集合体室だけは空気が満たされていない非与圧部だが、その中央には「移送トンネル(PrK)」と呼ばれる与圧部がある。これはドッキングポートに接続したプログレスなどにクルーがアクセスするための通路なのだが、空気はこのPrKから漏洩している。

ISSの空気漏洩は2019年に初めて確認され、2020年には漏洩箇所がPrKだと特定された。ただし、その亀裂は肉眼では確認できないほど微細なものと思われ、厳密な場所は現在に至るまで特定されていない。そのためPrKにつながるハッチは2020年以降、通常時は閉鎖されている。

2023年4月になると、空気漏洩量は1日当たり1.68kgまで上昇した。これは許容減圧レート(~0.27kg)の6倍に相当する数値だ。このときISSのリスクレベルは最高値の「リスク5」に引き上げられたが、その後リーク量は低減し、船内気圧は再び安定した状態を保っていた。

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編集=安井克至

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