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2026.05.30 14:00

AMDがエヌビディアに勝たずとも成功する理由、AI半導体市場の行方

JHVEPhoto - stock.adobe.com

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AMD(NASDAQ:AMD)の株価は今年に入って2倍超となり、過去1年では4倍超に上昇した。理由は明快だ。AIの拡大は途方もない規模で進んでおり、規模の大小を問わず企業が、あるいは豊かな政府であれ苦境にある政府であれ、そこに関与しようとしない理由はない。

AMDが成功するためにエヌビディアを上回る必要はない。巨大な市場において、信頼できる第2のサプライヤーとして機能すればよいのだ。下振れリスクは、サーバー分野でのインテル(INTC)に対する継続的なシェア獲得によって相殺され、上振れ余地はAIアクセラレーター需要急増への直接的な参入に結び付く。2つのエンジンを1つの株で持つ構図である。

懸念点としては、株価収益率(PER)が昨年利益の約120倍、売上高倍率でも20倍超と、楽観的なシナリオの多くがすでに株価に織り込まれている。鍵となる問いは、そうした期待を裏付ける証拠が今後も積み上がり続けるのか、ということだ。

以下では、その見立てを、最も注視している主要リスクとともに示す。

投資仮説

投資仮説の中核は、AMDがPC・ゲーム中心の企業から、データセンターの支配的プレーヤーへと変貌を遂げつつある点にある。

これは、インテルから大きな市場シェアを奪い続けるサーバー用CPUであるEPYCの相乗的な成長に加え、AI用途でエヌビディアに対抗できる唯一の有力な競合として地位を固めつつあるAIアクセラレーターであるInstinct (MI300シリーズ)によって推進されている。

GPUの採用は、推論における経済性でAMDが持つ優位性によって、ますます後押しされている。MIシリーズのアクセラレーターは、メモリ帯域幅と「1ドル当たりトークン数」を強化する。AIワークロードが学習から推論へと移行し、2026年に向けて進む局面では、これらが本質的な指標となる。

CPU分野そのものも復活の瀬戸際にある。AIが学習だけでなく推論やエージェント型タスクへ移るにつれ、AI実装におけるCPU対GPUの比率は概ね1:8から1:4へとシフトし、同等に近づく可能性もある。これによりCPUは、単なる旧来型のコモディティではなく、AIアーキテクチャの調整レイヤーとして再定義される。

メカニズム
高粗利(推定で約70%)のデータセンター部門へ急速に重心が移ることで、企業の収益性とマージン成長は根本的に改善する。こうした収益力の構造的な強化は、より高く持続的な投資評価倍率(バリュエーション・マルチプル)を支える。市場がAMDを景気変動の大きいハードウェアベンダーとしてではなく、長期的なAIトレンドへの重要な貢献者として捉え始めるためだ。

次ページ > AIアクセラレーターのサプライチェーンにおけるエヌビディアへの従属というリスク

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