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2026.06.04 12:30

なぜ成功者は「あえて人力」を選ぶのか、AI時代の仕事で人間だけが担うべき仕事

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私は毎朝ほぼ欠かさずに思いついたことを書き連ねる「モーニングページ」を数分実践している。私はどちらかと言えば自動化推進派の人間だが、モーニングページは効率化とは無関係だ。むしろテックとは程遠い行為だ。タブレットもコンピューターも使わない。昔ながらのペンとノートを取り出して手書きする(Z世代の読者からは驚きの声が聞こえてきそうだ)。

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私はこれまでのキャリアの大半を、人々の生活をもっと楽にする方法を考え出すことに費やしてきた。つまり、退屈で面倒な作業をなくし、その時間をもっと興味深い仕事に割けるよう注力してきた。だがモーニングページはこれとは全く別物だ。雑念を払い、思考を整理し、これから始まる1日に備えるための時間だ。そこにはハックも最適化もない。まさにそれこそが重要なのだ。

組織はこぞってあらゆるワークフローに人工知能(AI)を組み込もうとしており、議論の大半は「次にAIが引き継ぐことができるプロセス」に集中している。だが私は重要な視点が欠けていると考えている。つまり、「AIは次に何をすべきか」ではなく「AIは何をすべきでないか」だ。AIができないからではなく、AIにやらせた時に本質的な何かが失われてしまうために今後も人間だけが担うべき仕事とは何なのか。

すべてを外部に委ねることの代償

AIはすでに優秀な同僚となっている。その能力は向上するばかりだ。パワフルな新モデルが次々と登場しており、ほんの数カ月前まではできなかったタスクもこなせるようになっている。

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メールの整理からバイブコーディング(コードを一切書かず日常会話のような言葉でAIに指示を出す開発手法)での実用最小限の製品(MVP)開発まで、あらゆることをこなすAIエージェントを構築できるようになったのは素晴らしいことだ。最近の新卒者は地味な作業を通じて身につける基礎的なスキルを一生学ぶ必要がなくなるかもしれないとも認識している。AIなら数分で生成できる財務モデルを、なぜ若手のアナリストが何時間もかけてゼロから作成しなければならないのか。完成度の高いクライアント向けのメモがプロンプト1つで手に入るのに、なぜ新入社員が下書きの作成に苦労しなければならないのか。

しかし、こうした近道の一部は長期的には有害かもしれない。米ハーバード・ビジネス・スクールの研究によると、かつては専門的な判断力を養うための訓練の場だった反復作業をAIがますます担うようになっている。そのリスクとして、監督を任された業務を自ら経験したことのないマネージャーばかりの世代を知らず知らずのうちに作り出してしまう可能性がある。

ベテラン社員ですら苦労して身につけた批判的思考力が鈍ってしまう恐れがある。米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボは被験者54人を3つのグループに分け、大学進学のための標準テストのエッセイを書かせて検証した。1つ目のグループはChatGPTを、2つ目のグループはGoogleを利用できる状態で、そして残りのグループはツールを一切使えない状態で臨んでもらった。

被験者の脳活動を分析した結果、ChatGPTを使ったグループは3グループの中で最も脳の活性化度が低く、「神経学的・言語学的・行動学的レベルで一貫して最も低いパフォーマンス」を示した。研究者らはこれを「認知負債」と呼んでいる。AIに思考を任せることによって生じる隠れた代償だ。

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翻訳=溝口慈子

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