明るい太陽の光を見るとくしゃみが出る理由
明るい太陽の光がある場所に出るとくしゃみが出る、という人がいる(人口の約25%)。この現象は、正式には、「光くしゃみ反射」、もしくは「常染色体優性の強迫性太陽眼球爆発症候群(Autosomal Dominant Compulsive Helio-Ophthalmic Outbursts)」と呼ばれており、後者は、非公式にはACHOO症候群という印象的な頭字語が付けられている(ACHOOは「ハクション」のこと)。
科学者たちはかつて、この反射は、どこか脳幹の奥深くで神経回路が誤作動を起こしただけ、という単純な現象だと考えていた。光が目に刺激を与えると、近くにあるくしゃみの神経回路が誤って活性化され、結果としてくしゃみが出てしまう、と考えていたのだ。その後、2010年に『PLOS One』に掲載された研究論文で、研究者たちはこの現象の背景にある真の神経学的メカニズムを解明した。
研究論文の著者たちは実験で、「光に反応してくしゃみをする人たち」と、それ以外の人たちを分け、その両方に、点滅する光などの視覚刺激を与え、その間、脳波検査を用いて脳の活動を記録した。全体として、視覚情報を脳がどのように処理するかという点において、参加者間で測定可能な違いがあることを彼らは発見した。
光くしゃみ反応がある人々は、対照群と比較して、視覚野、特に目に入る光の刺激の処理に関与する楔部(せつぶ)と呼ばれる領域で、興奮が高まっていることがわかった。これは、光くしゃみ反応がある人々が、視覚処理の最も初期の段階から、明るい光に対して通常よりも敏感であることを示唆している。
さらに、光にさらされた際に鼻の奥がムズムズする、と報告した参加者は、島皮質と二次体性感覚野の活性化も高まっていた。これら二つの領域は、脳内で身体感覚や感覚統合に関与している。これは脳が、通常とは異なる方法で、視覚情報と身体感覚を統合している可能性があることを示唆している。
このため研究者らは、光くしゃみ反射は、従来考えられていたほど反射的なものではなく、むしろ、視覚と身体感覚を統合して処理する高次皮質領域が関与している可能性が高いと考えた。
もしこれが、(病院で検査される膝蓋腱反射のように)真に古典的な意味合いの条件反射であるならば、意識的な大脳皮質の関与をほとんど伴わずに起こるはずだ。しかし光くしゃみ反射は、脳内のより広範な感覚ネットワークを動員しているように見えるため、それとは違うものと考えられる。
具体的には、視覚刺激に対して脳が通常より強く反応し、その視覚活動の高まりが、鼻や顔の刺激に関連する感覚野を同時に活性化させるため、日光を浴びるとくしゃみが出る人がいるということのようだ。


