AIのリーダー企業でさえ負担を感じている
事業上の要請や基本的な会計、小学生レベルの算数の問題は、スタートアップだけの話ではない。
20年以上にわたりマイクロソフト関連技術を取材してきたThe Vergeのシニア記者、トム・ウォーレンは、マイクロソフトが2025年12月に開発者向けにAnthropicのClaude Codeへのアクセスを開放し始めたと書いている。これはコーディングツールであり、より多くの社員にコーディングを試してもらう取り組みの一環だった。
ウォーレンによれば、このツールは非常に人気があった。だが現在、マイクロソフトは開発者に対し、自社のCopilot CLIを使うよう促している。ウォーレンの情報源によれば、Windows、Microsoft 365、Outlook、Microsoft Teams、Surfaceを担当するエンジニアは、来月末までにClaude Codeの利用を終えなければならない。
ウォーレンはこう書いている。「マイクロソフトは社員に対し、この決定はExperiences + Devices部門全体で主要なエージェント型コマンドラインインターフェースツールをCopilot CLIに統一するためだと説明しています。しかし、私の情報源によれば、この決定には財務上の理由もあります」。このツールの利用料を削減すれば、6月の四半期末が近づく中、マイクロソフトの営業費用を投資家に対してより妥当な水準に見せやすくなる。6月は同社の会計年度末でもある。
売上未達がさらに圧力を強めている
本来なら、事業の拡大が追加コストを支えるはずだった。先月、ウォール・ストリート・ジャーナルは、OpenAIが新規ユーザー数と売上目標を達成できなかったと報じた。サービス提供に必要なデータセンターに巨額の支出をしていることから、社内や取締役会の一部で懸念が高まっているという。
同紙のバーバー・ジンはこう書いている。「事情に詳しい関係者によると、最高財務責任者(CFO)のSサラ・フライアーは、売上が十分な速さで伸びなければ、同社が将来のコンピューティング契約の費用を支払えなくなるかもしれないと、他の経営幹部に懸念を伝えている」。
モルガン・スタンレーによれば、世界のテクノロジー企業は今年、7400億ドル(約117兆8700億円)の設備投資を発表しており、2025年から69%増えている。こうした企業がAIへの支出を上回るだけの効果を得られなければ、長く顧客ではいられない。その結果、高い評価を受けている株式に十分な下押し圧力がかかり、景気が厳しい局面ではS&P500を押し下げる可能性がある。


