ウクライナの海洋ドローン(無人艇)がまた進化を遂げたようだ。
南部ミコライウ州の黒海に突き出したキンブルン砂州の周辺で、ウクライナの水上ドローン(無人水上艇=USV)は新たな役割を担い始めているとみられる。FPV(一人称視点)空中ドローン(無人航空機=UAV)を発進させたり、サーモバリック(燃料気化爆薬)弾頭のロケット弾を発射したりして、沿岸目標などを攻撃できる「浮かぶ発射プラットフォーム」としての役割だ。
この戦争のほとんどの期間を通じて、ウクライナとロシアは陸上、空中の両分野で絶え間ない技術競争を繰り広げてきた。同様の適応サイクルが黒海でも進行している。そこではウクライナの水上ドローンが以前からミサイルを搭載したり、FPV空中ドローンを発進させたりしていたが、いまでは空中ドローンとサーモバリック・ロケット弾の両方を搭載し、それらを組み合わせて運用し始めているもようだ。
自爆ボートから浮き発射プラットフォームへ
100万人以上の登録者を持つロシアのテレグラムチャンネル「スペツナズの大天使(アルハンゲル・スペツナーザ)」によると、ウクライナはキンブルン砂州一帯のロシア軍陣地を攻撃するため、FPVドローンと「シュメーリ」ロケットランチャーを搭載した水上ドローンを投入している。
1/ Ukraine is reportedly using large 'drone carrier' unmanned surface vessels (USVs), each carrying between six to eight FPV drones as well as themobaric rockets, to attack multiple targets on the strategic Kinburn Peninsula in Crimea. ⬇️ pic.twitter.com/d9MLkkOJl7
— ChrisO_wiki (@ChrisO_wiki) May 15, 2026
この親戦派チャンネルはウクライナの水上ドローンの映像を共有し、本体にはFPVドローンを6~8機格納する区画があり、攻撃時にはそこが開いてドローンを発進させると報告している。さらにシュメーリも複数搭載されていると書いている。シュメーリはサーモバリック・ロケット弾を発射し、海岸線沿いの塹壕化された陣地を爆破する能力を持つ。
ドニプロ川の河口の西方にあるキンブルン砂州は2022年2月の全面侵攻開始時にロシア軍に占領されたが、露出した陣地のため攻撃を受けやすい状態にある。
ウクライナ向け装備支援団体「ディフェンス・テック・フォー・ユークレイン」のジョナサン・リッパート代表は筆者の取材に、搭載されているシュメーリについて「ロケット弾頭はサーモバリック型で、装甲貫通用ではありません。したがって比較的軽装甲の地上車両や、建造物に対する使用が想定されている可能性があります」とコメントした。



