この新設ラッシュを力強く牽引しているのが、現役を退いた中高年世代だ。起業時点における代表者の平均年齢は48.9歳と、前年から1.2歳上昇して過去最高を更新した。かつて起業の主力を担っていた30代の割合が18.8%、20代以下が5.0%と若年層の割合が低下する一方で、シニア層の台頭が著しい。一般企業で定年退職のボーダーラインとなる「60歳以上」の割合は20.5%に達し、前年の17.3%から拡大。インターネットの活用に慣れた世代が中高年となったことに加え、副業・兼業の解禁によって趣味や特技を生かした起業への心理的ハードルが下がったことが要因にあげられる。

こうした「シニア起業」をはじめとする新たな挑戦は、2026年以降も持続する公算が大きい。政府の「スタートアップ育成5か年計画」や自治体による資金・実務面のサポートに加え、地域金融機関で経営者保証を不要とする創業支援融資が広がるなど、官民一体となったバックアップ体制の充実が追い風となっている。パートタイム起業や1人起業といった持続可能なスモールビジネスの普及は、個人の知見や経験を社会に還元する新たな選択肢だ。今後は、若い起業家や投資環境が集中する東京都などの大都市圏だけでなく、地方自治体がどのように起業の芽を育てていくかが、日本全体の経済活力を維持する上での重要な焦点となるだろう。
出典:帝国データバンク「2025年新設法人動向調査」より


