今から約2万4000年前に絶滅したとされている日本列島のナウマンゾウは、新たな年代測定により、それよりも1万年ほど前に、すでに絶滅していたことがわかった。それにより、ナウマンゾウの絶滅の原因が人間の狩猟によるものという従来の説が覆された。そもそも、ナウマンゾウと人間は、日本列島ではほぼ出会っていなかったのだ。
東海大学、ふじのくに地球環境史ミュージアム、東京都立大学、東京大学からなる研究グループは、ナウマンゾウの化石に対して、従来よりも精度の高い方法で放射性炭素年代測定を行った。それによると、ナウマンゾウが絶滅した年代は、約3万3000〜3万5000年前だとわかった。
現生人類が日本列島にやって来たのは約3万8000年前の旧石器時代とされているので、人間とナウマンゾウが共存していた時期は約4000〜6000年間となる。遺跡から推定される当時の人口動態とくらべると、人間の生活域とナウマンゾウの生息域は、年代的にも空間的にも一致せず、人間がナウマンゾウを狩って食べていたとは、ほとんど考えられない。
また、遺跡から発掘される狩猟用の道具は、台形様石器と呼ばれるものが主流で、大型哺乳類の狩猟には向いていない。
これらのことから、ナウマンゾウが絶滅したおもな要因は人間による乱獲ではなく、小寒冷期と小温暖期を繰り返す気候変動による生息環境の変化だと推定された。
人類とナウマンゾウが日本列島で共存していたわずかな期間、すでにナウマンゾウの頭数は減り、人間が住む地域ではほとんど見られないレアキャラになっていたというわけだ。



