コンゴにおけるエボラ出血熱の流行、過去50年で17回
アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)は5月15日、イトゥリ州におけるエボラ出血熱のアウトブレイクを宣言した。同国でエボラ出血熱のアウトブレイクが発生するのは過去50年間でこれが17回目となる。アウトブレイクが宣言された時点で、すでに246人が発症し、65人が死亡していた。
その後の検査により、今回の流行は、致死率が30%を超え、ワクチンも治療法も存在しないエボラウイルスの変異株である「ブンディブギョ株」によるものであることが確認された。その後、感染者は1000人を超え、死亡者数は220人以上に達している。WHOはこれを受け、このアウトブレイクは複数の国家に公衆衛生上のリスクをもたらす可能性がある「緊急事態」であると宣言した。
WHO、アフリカCDC、アフリカ諸国政府、国連、慈善団体、そして欧米の公衆衛生機関によるアウトブレイクへの対応にはまとまりがなく、現場の職員らは感染拡大を防ぐために、監視、隔離、治療、検査、旅行者のスクリーニングなど、各機能間の調整に奔走している。米CDCは「レベル2」の緊急対応を発動し、コンゴとウガンダにある既存の事務所を通じて、疫学調査、接触者の追跡、研究所の支援、旅行者の監視などを行うための職員を派遣した。
WHOによると、アウトブレイク対策のための資金として世界から約5億ドル(約800億円)が集まった。そうした資金の拠出者の中には、2300万ドル(約36億6900万円)を拠出した米国政府、1500万ドル(約23億9300万円)を拠出したビル&メリンダ・ゲイツ財団などが含まれる。従来、エボラ出血熱のアウトブレイクに対する米国からの支援は米国際開発局(USAID)が担っていたが、同局はトランプ政権下で実質的に解体された。
コンゴではここ1週間で武装勢力間の戦闘が激化し、治療センターへの放火、群衆による病院の占拠、医療従事者への脅迫や攻撃などが起きている。
先週、イトゥリ州の鉱山地帯であるルワンパラにあるエボラ治療センターが地元住民によって放火された。死亡した友人の遺体を引き取ることを拒否されたことに住民らが憤慨したためだ。エボラ犠牲者の遺体との接触はウイルス拡大の原因となるが、衛生的な遺体処理はコンゴ人の伝統的な埋葬儀礼とは異なる。
同様の不満から、モングワル総合病院では死亡した患者の遺族と赤十字のボランティアとの間で衝突が発生し、さらなる衝突を防ぐため、現在も警察や兵士が病院に駐留している。同じくモングワルでは、エボラ患者の治療に使用されていたテントが放火され、その襲撃の最中にエボラ感染の疑いがある少なくとも18人の患者が逃亡した。


