ヘルスケア

2026.05.28 11:30

エボラ出血熱の封じ込めが困難を極めている理由

Michel Lunanga/Getty Images

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世界保健機関(WHO)は、コンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱のアウトブレイクが封じ込め対策を「上回るペースで拡大」しており、「破滅的な」臨界点に近づいていると警告した。数十年間に及ぶ紛争により、有効な治療の提供や感染拡大の阻止が困難なためだ。

WHOのテドロス・ゲブレイェスス事務局長は米国時間5月27日、コンゴ民主共和国東部が「疾病と紛争の破滅的な衝突」に直面していると警告した。米疾病予防管理センター(CDC)もまた、同地域への支援を提供する上での大きな障壁として「現在も続く治安への懸念」を挙げている。

1998年に第二次コンゴ戦争が始まって以来、同国ではさまざまな規模の暴力行為が続いている。対立するヘマ族とレンドゥ族の民兵組織はそれぞれ、30年近くにわたって5万人以上を殺害し、集落を襲撃し、病院を攻撃し、数百万人の難民を生み出してきた。

この紛争は、根深い民族対立と、金(ゴールド)の産出地であるイトゥリ州の権益争いに根ざしている。こうした対立は、コンゴがベルギーの植民地だった時代から100年以上にわたって蓄積されてきたものだ。過去には紛争の解決に向けた進展も見られたものの、何世代にもわたって無政府状態が続いた結果として、国民は権力者、外国人、ボランティア、支援員に対する不信感を抱き続けている。

ヘマ族とレンドゥ族との関係は2017年以降に著しく悪化した。報告によれば、この年、レンドゥ族とつながりのある民兵組織「CODECO」が民間人に対する暴力行為を再開し、集落を襲撃された計100万人以上が避難を余儀なくされた。

その結果、人々は衛生状態が悪く人口過密な難民キャンプへの避難を余儀なくされ、そこで濃厚接触が生じており、これがエボラ出血熱の拡大抑制や接触者追跡の取り組みを妨げている。また、政府や外部機関への信頼が最も低い地域では、エボラは致命的なウイルスではなく、政治的な陰謀、魔術、悪霊がもたらしたものだと信じている人もいる。

慈善団体アクションエイドのコンゴ拠点代表を務めるサアニ・ヤクブは、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、「敵は致命的なウイルスだけではない。私たちは迷信や恐怖、そして根深い疑念とも戦っているのだ」と語った。

コンゴの紛争は、ドナルド・トランプ大統領が解決したと主張する「8つの戦争」の1つだ。2025年12月、第二次コンゴ戦争が勃発して以来イトゥリ州に介入してきたルワンダ共和国とコンゴ民主共和国は、米国の仲介により、ルワンダ軍のコンゴ東部からの撤退と経済連携の構築を取り決めた和平協定に署名した。両国間の戦闘は依然として続いているものの、一部ではわずかな進展の兆しも見られる。

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翻訳=江津拓哉

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