サイエンス

2026.05.30 18:00

早起きに意志の強さは関係ない、「朝型人間」が存在する理由 進化生物学者が解説

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npj Biological Timing and Sleepに掲載された2025年の研究では、適応的遺伝子浸透(adaptive introgression)のゲノム的証拠が見つかった。平たく言えば、クロノタイプに関わる変異が、ネアンデルタール人やデニソワ人を含む古代人類から受け継がれたことを意味する。朝型・夜型の嗜好に関わる対立遺伝子(アレル)はいずれも、これらの古い集団に一部由来することが示唆された。今日の私たちが持つ多様性は、きわめて古い遺産を反映している。

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時を経て、これらの生存に関わる行動の違いはゲノムに刻み込まれていった。Nature Communicationsに掲載された2019年のゲノムワイド関連解析では、約70万人のメタ解析により、朝型クロノタイプに関連する遺伝子座が351カ所特定された(10年前はわずか24カ所だった)。これらの遺伝子座は、概日リズムの制御、網膜の光受容、視床下部および後脳のシグナル伝達経路に関与する遺伝子周辺に集積していた。

これらの知見によれば、クロノタイプは複雑な多遺伝子形質であり、遺伝率は約50%と推定される。数百の小さな遺伝効果が協調して働き、形づくられる。朝型対立遺伝子の比率が最も高い人は、最も低い人に比べ、平均して25分早く目覚める。控えめだが測定可能な生物学的シグネチャーが、ゲノムに書き込まれているのだ。

朝型人間でも完全に変わってしまうことがある理由

あまり知られていないことだが、クロノタイプは生物学的に固定されたものではない。生涯を通じて予測可能な形で変化し、しかもその変化は社会的な期待と一致しないことも多い。

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新生児と幼い子どもは、ほぼ例外なく朝型である。Scientific Reportsに掲載された2017年の大規模研究では、出生から成人初期までの2万6000人超を対象に、0〜1歳の約70%が朝型と判定され、夜型傾向を示したのはわずか1%に満たなかった。

しかし、思春期が訪れると状況は一変する。夜型への転換は10歳前後から始まり、10代後半(19〜21歳ごろ)にピークを迎え、その後は徐々に逆転する。朝型へ戻る転換点は、女子で約15.7歳、男子で約17.2歳とされ、女性の思春期開始が早いことと密接に連動している。

中年期には、多くの人が20歳のころより早く目覚めるようになる。高齢になると、望まなくても夜明け前に起きてしまうことがある。

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