経済・社会

2026.06.04 13:30

スズメ蜂と終わらない戦争:川村雄介の飛耳長目

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強大な武力をもつ大国の所業は、要は人間に対する本質的なリスペクトを欠いていることに根本的な原因があると思う。人を虫けら扱いするだけではなく、彼らがつくり上げていた偉大な文明をまったく無視している。イランは四大文明発祥の地であり、燦然と輝くペルシャ文明を誇った地域である。アフガンは古代バクトリア文明が栄え、シルクロードの要衝として東西文化が融合した場所だ。ムガールの強国も勢威を張った。

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これらの地域の人々は人類文明の創始者とも言える。そのころの米国やロシアの地は人口過疎で、オオカミやバイソン、虎や熊が跋扈する広大な僻地に過ぎなかった。トランプやプーチンは、貴重な歴史に無縁の辺境の野蛮人にしか見えない。野蛮人が虫けらを踏み潰す構図が、イランでありアフガンであり、太平洋戦争だった。

だが、虫けらなどと侮るなかれ、スズメ蜂を見よ、である。撃退したつもりでも、いつの間にか、人間の目の届かない場所に拠点を築き、従前の勢力を取り戻している。米国やロシアには、在来種のスズメ蜂はいないそうだ。トランプもプーチンも来日して、古屋の軒先に作られた巨大な彼らの巣を見てもらいたものだ。

そんな思いを巡らせていると、書斎の窓に小石が当たるような音がする。子どものいたずらか? 違った。体当たりしているスズメ蜂であった。

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川村雄介◎一般社団法人 グローカル政策研究所 代表理事、公益財団法人 日本証券経済研究所 研究顧問。1953年、神奈川県生まれ。1977年東京大学法学部卒、大和證券入社。1981年ワシントン大学法律学修士取得。長崎大学経済学部教授、大和総研副理事長を経て、現職。

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川村雄介の飛耳長目

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