国内

2026.06.02 14:30

元リクルートが確信したAI時代に生き残る建設業とリアル戦略

八尾凌介 Angel Bridge(写真左)・韓 英志クラフトバンク(同右)

韓:自社ホームページをもつ専門工事会社は4割ほどしかなく、社長は日中現場にいてインターネットに触れません。そのためウェブマーケティングは捨て、徹底的なリアル戦略に注力し、今では34都道府県に現地社員を配置しています。ほかにも、地方銀行65行と提携。建設業は必ず借り入れをするため、銀行経由のアポはすっぽかされません。地銀から紹介を受けた後は、各地に配置した我々の社員が直接支援に駆けつけます。東京のITベンチャーが来るよりも、地元密着の人間が汗をかくほうが圧倒的に信頼されるんです。

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また、職人の読者が多い人気漫画『解体屋ゲン』でクラフトバンクを紹介してもらったり、自社メディアを運営して、取材をきっかけに社長のアポを取ったりしています。これらはすべて商談獲得単価として緻密にエコノミクスを計算しています。

八尾:最近では、AIの進化によって、これまでSaaSだけでは拾いきれなかった現場の困りごとを解決できるフェーズに入ってきましたね。

韓:職人さんの就労時間の3分の1は事務作業に奪われているという統計があります。私たちはSaaSだけでなく、AIを活用した事務代行や採用、M&A支援まで、工事以外は全部やるというAI- BPOモデルへ進化し、建設業にテクノロジーをデリバリーする役割を担っていきます。

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私は日本の建設業こそが、世界のなかでも高度な技術をもつ最後の国策産業だと思っています。田舎の工事会社でさえ世界に誇れる技術をもっているのに、本人たちはそれを自覚していない。気づいているのは私たちだけなんです。建設業を時代に合ったかたちにアップデートし、今後10年で全産業のなかでいちばんGDPが大きく人気のある業界にする。そして最終的には、ドイツのマイスター制度のように職人がリスペクトされ、日本の職人が海外で稼げる世界をつくる。挑戦はまだ始まったばかりです。

八尾:まだ20万社のうちのわずかなシェアを取ったに過ぎません。全国に波及させ、絶大なインパクトを残すメガベンチャーへとスケールしていくことを期待しています。


やお・りょうすけ◎東京大学大学院工学系研究科修士修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て2020年にAngel Bridgeに1号社員として入社。ベンチャーキャピタリストとして主にアーリーステージへのリード投資に携わる。(写真左)

はん・よんじ◎2005年、東京大学大学院(建築学)修士課程修了後、リクルートに入社。新規事業開発やグローバル事業責任者、CVC設立等を経て18年に内装工事会社のユニオンテックに経営参画。21年4月、同社のIT部門をMBOしクラフトバンクを創業。(同右)

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

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私がこの起業家に投資した理由

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