原材料や燃料価格の高騰が続く中、企業倒産への影響がさらに強まっている。帝国データバンクが発表した「物価高倒産」の動向調査によると、2026年4月の物価高倒産は108件となり、2018年の集計開始以降で最多を更新したことがわかった(集計期間は2018年1月1日~2026年4月30日)。
4月の物価高倒産は前年同月比で5割増
帝国データバンクでは、原油や燃料、原材料などの仕入れ価格上昇や、価格転嫁できない「値上げ難」などによって収益維持が困難になった倒産を「物価高倒産」と定義している。2026年4月の物価高倒産は108件となり、前年同月の71件から約5割増加した。2026年1〜4月累計でも346件となり、前年同期の295件を約2割上回るペースで推移している。
物価高倒産の要因別では、「原材料高」が63件で最多となり、全体の58.3%を占めた。前年同月の42.3%から大きく上昇し、再び半数を超えた。一方「人件費」は24件、「エネルギー」は16件だった。

建設業の倒産が急増
業種別では「建設業」が33件で最多となり、前年同月の18件から約8割増加した。単月としては過去最多だった。特に多かったのは「総合工事」で20件。そのうち戸建て住宅や集合住宅などを手がける「木造建築工事」が12件を占め、2018年以降で最多となった。背景には、鋼材や木材、コンクリートなど建築資材価格の高騰があるという。建設業における物価高倒産では「原材料高」由来が23件で最多だった。
また、ウッドショック(木材不足・木材価格高騰)の影響が続く中で、若手の職人不足や高齢職人の引退による人手不足も重なり、外注費や人件費の増加による倒産もみられた。

飲食店や食品製造でも倒産
建設業に続いて多かったのは「製造業」「小売業」でそれぞれ20件だった。製造業では「食料品・飼料・飲料製造」が6件、小売業では「飲食店」が10件で最多となった。
「オイルショック倒産」の懸念も
今回の調査では、中東情勢悪化による原油不足やナフサ供給不安によって、石油化学製品の価格高騰や在庫不足が発生していることにも触れている。
調査結果発表の2026年4月時点では「ナフサ供給不足」そのものによる倒産は確認されていないものの、今後は原油価格の上昇によるさらなる物価高が進む可能性もあるという。特に燃料依存度の高い運輸業や、化石燃料由来の資材を多用する建設・製造業では影響が大きく、「オイルショック倒産」が発生する可能性にも注意が必要としている。
「ナフサ不足」この現実が影響しているのはこれからだ。供給がいち早く落ち着くことを祈るばかりだ。



