ローマ教皇レオ14世は米国時間5月26日、AIに関する警告をさらに強め、強力な民間企業がデータやアルゴリズムを支配することは許されないとXに投稿した。この前日には、政府やテクノロジー業界のリーダーに対し、AIのもたらす破壊的な影響から労働者、子ども、そして人間の尊厳を守るよう促す公開書簡(回勅)も発表している。
教皇は、アルゴリズム、データ、デジタルプラットフォームをめぐる意思決定が力を持つ少数者によって支配されるべきではないと警告し、代わりに、より広範な世界的協調と公的責任を求めた。公正なデジタル社会は脆弱な立場にある人々を保護し、誤情報に対抗し、テクノロジーが利益だけではなく、人間の尊厳と共通の利益に基づいて管理されることを保証する必要があるとしている。
また、経済的不平等の深刻化を防ぐために、アルゴリズム、データ、デジタルインフラは、より広範なアクセスと監視が必要とされる、現代における一種の「公共財」と見なされるべきだと主張した。
加えて、テクノロジーと知識における支配の集中は、デジタル革命に参加できる人々と取り残される人々との間に、新たな分断を生み出すリスクがあるとも警告している。
教皇はXへの投稿で次のように述べている。「デジタル時代における公正な社会秩序とは、すべての人に機会への平等なアクセスを保証し、社会的に最も脆弱な子どもや若者を保護し、憎悪や誤情報に対抗し、データとテクノロジーの利用を公的監視の下に置くことで、指針となる原則が利益だけではなく、すべての人の尊厳とあらゆる人々の共通の利益となるようにするものである」
初の米国人教皇であるレオ14世は、AIを自身の在位期間における最大の問題の1つと捉え、カトリック教会を、増大するシリコンバレーの権力に対する道徳的な対抗軸に据えている。先日発表されたばかりの回勅『マニフィカ・フマニタス(偉大な人間性)』は、AIをめぐる最も重要な宗教的介入であり、政府やテクノロジー業界のリーダーに対し、イノベーションが人間の尊厳、労働、または社会の安定を犠牲にするものとならないよう求めている。
この文書の中でレオ14世は、人類がAI時代にどこへ向かっているのかを問いかけ、このテクノロジーが「支配、排除、そして死」の道具になることを許してはならないと警告した。また、教会がこれまでも支持してきた核軍縮と比較しながら、AIの「武装解除」を行う必要性を訴える場面もあった。バチカンは26日、アンソロピックの共同創業者であるクリス・オラーとともに、高度に演出された発表会の場でこの文書を公開した。
また、レオ14世はこの回勅が発表される数時間前、バチカンが奴隷制を正当化する上で果たした役割と、何世紀にもわたってその慣行を非難してこなかったことを認める歴史的な謝罪を行った。歴代の教皇もキリスト教徒の大西洋奴隷貿易への関与について謝罪してきたが、レオ14世はさらに、ローマ教皇としては史上初めて、過去の教皇たちがヨーロッパの統治者に対して非キリスト教徒を奴隷化し服従させる権限を与えるにあたって果たした役割を公に認め、それを謝罪した。彼はこの教会の歴史を「キリスト教の歴史における汚点(傷)」と表現している。



