眉の知られざる重要性
眉は、生物としてのヒトになくてはならないパーツだ。いまでも眼の保護という基本的機能を担っており、その形と配置は、汗や埃が目に入るのを防ぐのに役立っている。この保護機能には、おそらく深い進化的ルーツがある。しかしそうした基層の上には、現生人類に特有の、より新しい機能が重なっている。
眉は、以下のような新たな機能を担うようになった:
・情動を迅速かつ正確に伝達する
・複雑で、きめ細かな社会的相互作用を導く
・驚くほどの正確さで互いを識別する
顔の美醜や性的二形(雌雄の差をはっきり区別できること)に関する研究からは、眉が「顔の魅力度」の知覚にも寄与していることを示唆する知見も得られている。眉の形や太さをわずかに変えるだけで、顔に対する評価が大きく変化するのだ。
そのことは、一部の人々が、眉を整えることに多大な努力を費やしていることによっても窺える(彼ら自身は、その理由をはっきりと自覚していないとしても)。眉の形を整え、毛抜きなどを使って間引き、眉墨で描いて強調する習慣は、文化圏を問わず見られる。眉の配置や動きを調整するための美容施術も、染色からボトックス注射まで、より取り見取りだ。こうした習慣は、私たちが眉の重要性を直感的に理解している証拠といえる。
眉の重要性は、眉がない顔に違和感を覚えることからも明らかだ。進化の観点からは、こうした感覚は重要な手がかりとなる。あまり重要でない特徴は、個人差のなかに埋もれて目立たなくなるか、完全に消滅する傾向にあるからだ。
ヒトの進化の過程で眉に起こったことは、その真逆だった。眉はますます目立つようになり、機敏に動くようになった。そして、コミュニケーションと認識に役立つよう統合されていったのだ。


