物価高が続くなかで、ファッションへの支出も減っているのではないか。だがデータは、少し違う様子を見せる。
支出を「減らした」と答えた人は4割に満たず、維持または増やした人が多数派だ。我慢しているはずなのに、なぜ支出は守られているのだろうか。
アパレル事業を手がけるオンワード樫山が実施した調査が、その実態を浮かび上がらせた。
減らしたのは支出より買う回数
「ファッションへの支出は昨年と比べてどう変わったか」という問いに、「やや減った」「大きく減った」と答えた人は合わせて39.1%だった。一方、「変わらない」「やや増えた」「大きく増えた」を合わせると60.9%が支出を維持または増やしており、物価高のなかでもファッション消費を守った層が多数派だ。

ところが別の設問では、61.5%が「もっと使いたいが我慢している」「使いたいが余裕がない」と答えている。支出は減っていないのに、6割以上が我慢しているという矛盾はどこから来るのか。
答えは我慢の中身にある。ファッションの節約方法として最も実践されているのは「購入する点数・頻度を減らす」(48.3%)で、次いで「セール・アウトレットを活用する」(39.4%)だ。

消費者が削ったのはファッション支出そのものではなく、買う点数と頻度だったようだ。「我慢している」という感覚は、使う総額ではなく、思うように買えない回数や機会への不満から来ている。
また「フリマアプリで購入する」は全年代で14%程度と定着しており、フリマで売って購入費用に充てる循環型消費を実践する層も一定数いる。ファッション消費の形自体が多様化しつつあることがわかる。



